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遺言書が無効になるパターンと無効にしたい時の方法

弁護士法人ALG 福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治

監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates

亡くなった親族が遺言書を残してくれていたものの、法律で定められている形式の要件を充たしていなかったため、遺言書自体が無効となってしまうということは少なくありません。そのため、遺言書を作成するときには、無効とならないように注意して作成しなければなりません。

一方で、遺言の内容に納得がいかない遺族の方には、なんとか遺言を無効にできないかと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このページでは、遺言書が無効になるケースと無効にする方法について解説します。

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遺言書が無効になるとは?

遺言書を作成するときには、厳格な方式が定められているため、それに従わなければ無効とされてしまいます。そのため、遺言書が無効とされるリスクは決して低くありませんが、そのリスクの程度は遺言書の種類によって異なります。

遺言書の内容に納得できない場合には、最初に、遺言書が無効ではないかを確認すると良いでしょう。一方で、作成した遺言書が無効にならないようにするためには、費用をかけてでも公正証書遺言を作成することをおすすめします。

遺言書の種類 特徴
自筆証書遺言
  • 財産目録を除き、全文を自筆で作成しなければならない
  • 作成費用が安くすむ
  • 遺言書の内容と存在を、誰にも知られずに作成できる
  • 書式のミス等が発生しやすく、無効になりやすい
  • 存在が知られておらず、発見されづらい
公正証書遺言
  • 公証人が作成してくれるので、自筆する必要がない
  • 無効になりにくい
  • 偽造や改ざんをされにくい
  • 紛失するリスクがない
  • 費用がかかる
秘密証書遺言
  • パソコン等による作成が可能である
  • 遺言書の内容を秘密にすることができる
  • 遺言書の存在を明らかにしておくことができる
  • 書式のミス等により無効となるおそれがある
  • 費用がかかる

自筆証書遺言が無効になるケースとは?

自筆証書遺言とは、その名のとおり自筆で作成する遺言書のことであり、費用をかけず手軽に作成できます。ただし、自筆証書遺言は作成要件が細かく決められており、無効となりやすいです。

自筆証書遺言が無効となる要因として、以下のものが挙げられます。

  • ①自筆で書いていない
  • ②日付がない、日付が曖昧である
  • ③署名・押印がない
  • ④内容が不明確である
  • ⑤訂正の仕方が間違っている
  • ⑥共同で書かれている
  • ⑦遺言能力がない

具体的に、どのような場合に自筆証書遺言が無効になるのかご説明します。

①自筆で書いていない遺言書

遺言者本人が自筆で作成していないと、自筆証書遺言書は無効となります。

ただし、民法改正により、遺言書に添付する財産目録に限ってはパソコンや代筆による作成が認められるようになりました。登記簿謄本や通帳のコピーを添付してもかまいません。

財産目録を自筆以外の方法で作成した場合は、全ページに署名・押印が必要になります。

なお、音声や動画等のデータによる遺言は、遺言書本文であっても財産目録であっても認められません。

②日付がない、日付があいまいな遺言書

作成日が記載されていない遺言書は無効となります。また、「令和〇年〇月吉日」といった作成日が特定できないような表記も認められません。そして、日付も自筆しなければならないため、スタンプ印等を用いて日付を記載しても無効となります。

一方で、「令和〇年〇月末日」や「遺言者の満〇歳の誕生日」といった表記で自筆することは、作成日が特定できるため有効とされています。

③署名・押印がない遺言書

遺言者の署名・押印がない遺言書は無効となります。通常、署名は戸籍上の氏名をフルネームで記載するものですが、遺言者が特定できれば、通称やペンネーム、芸名、姓または名の片方だけであっても認められる可能性はあります。

また、偽造を防止することや本物であることを証明する効力があると考えられることから、実印により押印し、印鑑証明書を遺言書に添付するのが望ましいでしょう。 とはいえ、認印や拇印でも遺言書の有効性は認められます。

④内容が不明確な遺言書

遺言書の内容が不明確な場合、無効となるおそれがあります。
例えば、「私の不動産を子に譲る」と記載されていたとすると、不動産とはどの土地または建物を指すのか、子が複数名いれば誰のことなのか、譲るというのは「相続させる」と「遺贈する」のどちらなのかといった点がはっきりしません。

実際の裁判では、遺言書にある文言を形式的に判断するのではなく、遺言書作成当時の事情や遺言者の置かれていた状況等を考慮して、遺言者の真意を追求し、遺言の趣旨を確定していくことになります。

⑤訂正の仕方が間違っている遺言書

定められた方式どおりでない加入・削除・訂正は無効となり、訂正の内容と全体に占める訂正箇所の重要性等によっては、遺言書全体が無効となるおそれがありますので、注意が必要です。

加入・削除・訂正の方法を以下の表にまとめたのでご覧ください。

加入   
      
  1. ①<によって加入部分を示し、加入する文字を書く
  2.   
  3. ②加入する文字の横に押印する
  4.   
  5. ③「この行〇文字加入」と付記する
  6.   
  7. ④署名捺印する
  8.   
削除   
      
  1. ①削除する文字を二重線で消す
  2.   
  3. ②消した文字が見えるように、横に押印する
  4.   
  5. ③「この行〇文字削除」または「この行全文削除」と付記する
  6.   
  7. ④署名捺印する
  8.   
訂正   
      
  1. ①訂正する文字を二重線で消す
  2.   
  3. ②訂正する内容が分かるように、すぐ近くに書き直して押印する
  4.   
  5. ③「この行〇文字削除●文字加入」と付記する
  6.   
  7. ④署名捺印する
  8.   

⑥共同で書いた遺言書

遺言書は単独で作成する必要があります。2名以上の人が同一の証書に遺言を残すことを「共同遺言」といい、民法で禁止されているため、2名以上の人が共同で作成した遺言書は無効となります。

共同遺言が禁止されているのは、遺言を自分だけの意思で自由に撤回できなくなるからです。遺言者の最終意思が尊重されるため、気が変わったときに撤回できる必要があるのです。

⑦遺言能力がない場合

遺言能力とは、遺言の内容およびその遺言によって生じる法的効力を理解できる能力です。
遺言能力がない人が作成した遺言書は無効となります。そのため、遺言書の作成時に、遺言能力が失われていたことが疑われる場合には、遺言の有効性について争われるおそれがあります。

遺言能力が失われるケースとして、以下のものが挙げられます。

  • ①遺言者が認知症だったケース
  • ②遺言者が15歳未満だったケース

遺言者が認知症のケース

遺言能力があったか疑われる代表的な例として、遺言者が認知症だったケースが挙げられます。

ただし、認知症だからといって、一概に「遺言能力がない」とみなされるわけではありません。認知症といっても、その進行具合はさまざまだからです。

また、認知症の種類によっては、「日や時間によって同じことができたりできなかったりする」、「物忘れはあっても理解力は問題ない」というように、症状がまだらに現れることがあります。そのため、認知症により遺言者が成年被後見人となっていたとしても、一時的に遺言能力が回復しているときに2名以上の医師の立会いのもと作成された遺言書であれば、有効と認められる可能性があります。

遺言者が15歳未満のケース

遺言を残すことができるのは、15歳以上と定められています。そのため、15歳未満の者が作成した遺言書は無効となります。
また、遺言書は代理で作成することができないため、親権者である親が代理で作成したとしても認められません。

公正証書遺言が無効になるケースとは?

公正証書遺言は、以下のケースなどでは無効となってしまいます。

  • 証人不適格者が立ち会った場合
  • 遺言能力がない状況で作成した場合

公正証書遺言は、2名以上の証人の立会いのもと、遺言者が口頭で述べた内容を公証人が聞き取って作成する遺言書です。
公証人が作成しますので、作成の仕方に不備が出て遺言書が無効になるリスクは低いです。また、公正証書遺言の原本は公証役場で保管されるので、偽造・変造の心配もなく、特に信頼性が高い遺言方法です。

しかし、証人の適格性や遺言者の遺言能力を審査することはないので、これらが原因となって無効になるおそれがあります。

公正証書遺言については以下のページで詳しく解説していますので、ご参照ください。

1.証人不適格者が立ち会った遺言書

公正証書遺言の証人は、基本的には遺言者が自分で手配します。ただし、次に挙げる人は証人になることができません。

  • 未成年者
  • 遺言者が亡くなったら相続人になる予定の人(推定相続人)、その配偶者および直系血族
  • 遺言によって遺贈を受ける人(受遺者)、その配偶者および直系血族
  • 公証人の配偶者および四親等内の親族
  • 公証役場の職員

公正証書遺言の作成後に立ち会った証人が不適格者と判明し、「証人2名以上」という要件を充たしていなかった場合、その遺言書は無効となります。

2.遺言能力がない場合

遺言者に遺言能力があるかの判断は容易ではないため、遺言能力がなくても公正証書遺言を作成できてしまうおそれがあります。そのため、公正証書遺言が無効か否かで争いになるケースで最も多いのは、遺言者の遺言能力が問題とされるケースです。

公正証書遺言を作成するときには、まず遺言者が口頭で遺言の趣旨を公証人に伝え、それを公証人が遺言書として書き起こし、その内容を公証人が遺言者と証人に読み聞かせる(または閲覧させる)という手順を踏みます。

さらに、作成前には何度か打ち合わせを行い、遺言書の案を作成します。その過程で、公証人等により遺言者に遺言能力があると判断されます。しかし、遺言能力の有無を明確に判断する手段はないので、遺言能力なく作成されることもあり得ます。

秘密証書遺言が無効になるケースとは?

秘密証書遺言とは、遺言書の内容を秘密にしたまま、遺言書が存在していることについては公証役場に証明してもらえる方式です。自筆証書遺言とは異なり、パソコン等で作成することができます。

秘密証書遺言が無効になるのは、書式に誤りがあった場合や遺言者に遺言能力がなかった場合だけでなく、遺言書に押された印と封筒の綴じ目に押された印が異なる場合や、検認手続きの前に開封してしまった場合が挙げられます。

秘密証書遺言としては無効でも、自筆証書遺言としては有効になる可能性はあります。しかし、そのためには全文を自筆しなければならないため、秘密証書遺言を作成するメリットは少ないと考えられます。

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遺言書の無効を訴える方法

遺言内容に納得がいかず、遺言を無効にしたい場合は、相続人全員の合意を得て、実質的に無効とできることもあります。もし話合いによって合意が得られなければ、以下のような法的手続に移行することになります。

遺言無効確認訴訟

遺言無効確認訴訟とは、遺言が法的に無効であることを裁判所に判断してもらう手続です。

遺言に関する事件は家事事件であるため、原則として、訴訟の前に家庭裁判所に調停を申し立てる必要があります(これを「調停前置主義」といいます)。ただし、調停で解決することが難しいと予想される場合は、調停を省略して地方裁判所に訴訟を提起することができます。

調停とは、調停委員会が第三者として間に入って、対立する当事者双方の妥協点を見出す方法であり、あくまでも話合いによる解決を目指しています。しかし、相続人同士の事前の話合いで遺言の無効の合意が得られなかった以上、調停による解決はまず期待できないため、実際には最初から訴訟提起するケースが多いと思います。

訴訟では、遺言の無効を主張する相続人が原告となり、それ以外の相続人や受遺者が被告となります。もし遺言で遺言執行者が指定されていれば、基本的に遺言執行者が被告となります。

訴訟に必要なもの

遺言無効確認訴訟で争点となるのは以下の2点で、立証するための証拠が必要です。

  • 遺言能力があったか
  • 自筆証書遺言が自筆で作成されたか

遺言能力について争う場合、遺言書を作成した時点の遺言者の認知状態がわかる資料を用意する必要があります。例えば、以下のような書類が挙げられます。

  • 診断書
  • カルテ
  • 看護記録
  • 要介護認定結果通知書
  • 認知症検査の結果

また、遺言書の自筆性について争う場合には、筆跡鑑定を行うことになるため、遺言者の筆跡がわかるような以下のような資料が必要です。

  • 手帳
  • 日記
  • 手紙
  • 契約書の控え(金融機関との契約、保険契約、不動産取引等のもの)

遺産分割協議・調停

遺産分割協議とは、相続人間で遺産の分け方について行う話し合いのことです。遺言無効確認訴訟で判断してもらえるのは、遺言が無効か有効かという点のみであり、もし無効と判断された場合は、あらためて遺産の分割方法を決める必要があります。

遺産分割協議は単なる話合いなので特別な手続は必要ありませんが、必ず相続人全員で行わなければなりません。遺言無効確認訴訟で争った後に遺産分割協議を成立させるのは困難なことが多いと思われますので、遺産分割調停申立てに至ることが多いでしょう。

遺産分割調停について、詳細は以下のページで解説していますのでご参照ください。

遺産分割審判

遺産分割審判とは、裁判所が遺産の分割方法を決める手続です。裁判所が結論を出すことによって、遺産分割事件の終結を目指します。

遺産分割事件では、調停前置主義が適用されません。そのため、調停を行わずに遺産分割審判を申し立てることも可能です。とはいえ、通常はいきなり審判を申し立てたとしても、できる限り当事者間の話合いにより解決すべきという裁判所の判断で、先に調停に回されるケースが多いようです。

しかし、遺言無効確認訴訟を起こした経緯があれば、審判から始めたとしても認められる可能性は高いと思われます。

遺産分割審判について、詳しくは以下のページで解説していますのでご参照ください。

遺言が有効と判断されたとしても、遺留分侵害額請求ができる場合がある

遺言無効確認訴訟で遺言が有効と判断されたとしても、遺留分侵害額請求訴訟を提起すれば、最低限の遺産を受け取ることができます。

遺留分とは、一定の範囲の法定相続人が確保できる遺産の取り分のことです。遺留分を侵害された相続人は、自分の遺留分に応じた程度でほかの相続人や受遺者・受贈者に侵害された分を請求することができ、これを遺留分侵害額請求といいます。

遺言無効確認訴訟を提起する際には、遺言が有効と判断される場合に備えて、遺留分侵害額請求訴訟を同時に提起することもあります。

遺留分侵害額請求については、以下のページで解説していますのでご参照ください。

遺産確認の訴え(遺産確認訴訟)

遺産確認の訴えとは、ある財産が遺産に含まれるかどうか争いがある場合に、遺産の範囲を確定するために行う訴訟です。遺産の範囲が変わると分割方法も変わるため、遺産分割協議の前に確定しておく必要があります。もちろん、話合いで解決できるのであれば、遺産分割協議や調停で取り決めをしてもかまいません。

なお、遺産確認の訴えは、あくまで遺産の範囲を確認するための手続であるため、分割方法について決められることはありません。

遺産確認の訴えについて、詳しくは以下のページで解説していますので、ご参照ください。

遺言書が無効になった裁判例

被相続人に遺言能力がない状態で遺言書が作成されて、裁判所によって無効であると判断された事例をご紹介します。

【東京地方裁判所 平成30年1月30日判決】

当該事案は、重度のアルツハイマー型認知症によって平成25年7月に成年後見開始の審判がされた被相続人が、平成24年10月に作成した公正証書遺言の有効性が争われた事案です。

なお、被相続人は平成19年3月にも公正証書遺言を作成しており、その内容と比較して、新たな公正証書遺言の内容は、被告である相続人にとって有利なものでした。

裁判所は、被相続人が平成24年6月頃から夜間徘徊を繰り返していたこと等から、遺言書を作成した時点では、アルツハイマー型認知症が相当程度進行しており、認知能力が著しく低下していたと判断しました。そして、遺言書は、被相続人に遺言能力がない状態で作成されたものであり、無効であると裁判所は判断しました。

遺言書の無効に関するQ&A

遺言書を勝手に開封したら無効になるの?

遺言書を勝手に開封したからといって、その遺言書が無効になることはありません。そのため、誤って開封してしまった場合には、そのままの状態で家庭裁判所に提出し、事情を説明して検認手続を行いましょう。

秘密証書遺言と、法務局以外で保管されていた自筆証書遺言は、開封前に家庭裁判所に検認を申し立てる必要があります(法務局において保管されていた自筆証書遺言は、検認の必要がありません)。検認は遺言書が偽造・変造されることを防止する目的で行う手続であり、遺言の有効性に影響を与えるものではありません。

ただし、検認手続を行わないと5万円以下の過料に処せられるおそれがあります。だからといって、遺言書を隠したり捨てたりすると相続欠格とみなされて相続権を失うおそれもありますので注意しましょう。

遺言無効確認訴訟の提起に期限はあるの?

遺言無効確認訴訟には、いつまでに提起しなければならないという期限はありません。しかし、あまりに昔の遺言書について争う場合、無効を立証するための証拠を集めることが非常に困難になるため、早めに行うべきだといえるでしょう。

また、遺留分侵害額請求権に消滅時効があることを考慮しなければなりません。遺留分を侵害された相続人が、相続が開始した時および侵害額請求の対象となる贈与や遺贈があったことを知った時から1年以内に行使しないと、権利が消滅してしまいます。

なお、遺留分侵害額請求訴訟を起こさなくとも、遺留分を請求しておけば1年の時効にはかかりませんが、遺言無効確認訴訟を起こしても時効は中断されないことに注意が必要です。適切な対処をしなければ、遺言が有効と判断された場合に遺留分を請求できなくなってしまうおそれがあります。遺言無効確認訴訟と遺留分侵害額請求訴訟を同時に提起することが多いのも、余計な時間をかけないようにするためです。

遺言無効確認訴訟にはどれくらい費用がかかるの?

訴訟を起こすには、裁判所に手数料を納付する必要があります。この手数料は、訴訟物の価額(訴額)に応じて変わり、基本的には収入印紙を訴状に貼付して納付します。

遺言無効確認訴訟の場合、原告が訴訟において主張する利益によって訴訟物の価額が計算され、遺言の内容によって具体的な計算方法が異なります。例えば、遺言で遺贈がされたケースについて、受遺者等を被告として訴える場合、遺贈により処分された財産の価額に原告の法定相続分を乗じた額が訴額となります。

また、手数料のほかに、裁判所が当事者等に郵便物を送付するための切手代も用意する必要があります。

これらの訴訟費用は敗訴者が全額負担することもあれば、原告と被告双方が決められた割合で負担することもあります。

遺言書があった場合その内容は絶対ですか?

遺言書があっても、相続人の全員が合意すれば、異なる割合での遺産分割が可能です。
また、兄弟姉妹を除く「法定相続人」には遺留分が設けられ、遺留分侵害額請求によって、遺留分に足りないだけの金銭を、他の相続人から支払ってもらうことができます。

遺言書の無効に関してわからないことがあれば弁護士にご相談ください

自筆証書遺言は、作成要件が厳密に決められているため無効になりやすい遺言書であり、一方で公正証書遺言は、公証人が作成するため信頼性の高い遺言書だといえます。ただし、どちらも遺言能力がない状態で作成されたといった事情があれば、無効になるおそれがあります。

遺言は亡くなった方の最後の意思表示として尊重されるべきものですが、残念ながら、それを利用して自己の利益を増やそうと考える方も少なくありません。不当な内容の遺言に疑問を持たれた場合は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。遺言で悩まれているご依頼者様の味方となって、問題解決のお手伝いをさせていただきます。