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遺産分割調停について

被相続人(亡くなった人)が残した遺産を相続人間でどのように分配するかを相続人全員で話し合う遺産分割協議を行ったものの、協議が成立しなかった場合に行われるのが、遺産分割調停です。 遺産分割調停では、家庭裁判所の調停委員会が間に入って、遺産の分割方法について話し合うことになります。この調停委員会は、裁判官と2名(基本的に男女1名ずつ)以上の調停委員で構成されています。調停委員になることができるのは、40歳以上70歳未満の者で、家庭裁判所が、弁護士資格を持つ者や有識者といった任命基準に基づいた適格者を推薦し、そのなかから最高裁判所が選任した者です。 なお、遺産分割調停での話し合いは、直接相続人同士で行うわけではありません。原則として、調停の申立人と相手方が交互に調停室に入室し、個別に調停委員に対し意見を述べていき、調停委員が相続人全員の納得が得られるよう意見の調整を図っていきます。そのため、相続人同士が顔合わせをするのは、基本的には第1回期日と最終期日のみになります。

遺産分割調停を利用する際の流れ

遺産分割調停は、下記のような流れで行っていきます。

     
  1. ①家庭裁判所に遺産分割調停の申立てをする
  2.  
  3. ②家庭裁判所から呼出状が届く
  4.  
  5. ③期日に家庭裁判所に出頭し、調停委員会を介入させて話し合う(遺産分割調停)
  6.  
  7. ④調停が成立した場合、「調停調書」が作成される
  8.  
  9. ⑤調停不成立の場合、遺産分割審判に自動的に移行される

次項より、これらの各手続について確認してみましょう。

遺産分割調停の申立て

遺産分割調停を行う場合には、まずは「遺産分割調停申立書」を作成し、必要な書類を添付したうえで家庭裁判所に提出して、遺産分割調停の申立てをする必要があります。提出先の家庭裁判所は、申立人以外の各相続人(相手方)の居住地を管轄する家庭裁判所のいずれか、または当事者間で合意して決めた家庭裁判所になります。 なお、複数名が申立人になっても問題ありません。ただし、相手方については、遺産分割協議と同様に遺産分割調停も相続人全員が参加していなければならないため、申立人以外の相続人全員が含まれている必要があることには、ご注意ください。

申立てに必要な書類

家庭裁判所に遺産分割調停の申立てをする際には、「遺産分割調停申立書」の他、下記のような書類を提出する必要があります。

  • ・被相続人が出生してから亡くなるまでのすべての戸籍謄本類
  • ・相続人全員の戸籍謄本
  • ・相続人全員の住民票または戸籍の附票
  • ・不動産の登記簿謄本や預金通帳の写しといった、遺産に関する資料
  • ・被相続人の子(及びその代襲者)が亡くなっている場合は、その子(及びその代襲者)が出生してから亡くなるまでのすべての戸籍謄本類

なお、相続人が誰であるのか、相続人と被相続人はどのような関係性なのかによっては、上記以外にも必要な提出書類があります。

申立てにかかる費用

家庭裁判所に遺産分割調停の申立てをする際には、手数料として被相続人1人につき1200円分の収入印紙と、連絡用の郵便切手代という費用がかかります。郵便切手代は裁判所によって異なるため、申立先の家庭裁判所にご確認ください。 なお、手数料としての収入印紙代について、“被相続人1人につき”としていますが、これは、遺産分割を行う前にある相続人が亡くなってしまった場合(数次相続)、亡くなった相続人の法定相続人が代わって調停に参加することになり、被相続人が複数になるケースがあるためです。

申立てが受理されない場合がある?

遺産分割調停には、相続人全員の参加が必要であり、遺産分割調停申立書には、相手方となる相続人全員の住所を記入します。そのため、調停を行う前提として、相続人を確定し、相続人全員の居住地が判明していなければなりません。 また、調停の申立て先は、当事者間で合意していない限り、原則として申立人以外の各相続人(相手方)の居住地を管轄する家庭裁判所のいずれかであるため、やはり相続人全員の居住地が判明している必要があります。 したがって、相続人のなかに住所がわからない者がいる場合には、調停を申し立てることはできず、仮に住所不明のまま申し立てたとしても、家庭裁判所に受理してもらえません。

家庭裁判所から呼出状が届く

遺産分割調停の申立てが受理されたら、申立てから2週間程度で、申立人と相手方のすべての当事者に、家庭裁判所から呼出状が届きます。この呼出状には、遺産分割調停が行われること・第1回期日(調停を行う日時、集合場所)・第1回期日において必要な書類といった内容が記載されています。また、呼出状とともに、遺産分割調停申立書の写しや、進行に関する照会書(質問状のようなもの)といった書類も同封されており、照会書は回答して返送する必要があります。

調停での話し合い

第1回期日になったら家庭裁判所に出頭し、調停委員会を介入させて遺産の分割方法について話し合う、遺産分割調停を行っていきます。 申立人と相手方は別々の控室で待機し、原則として、申立人と相手方が交互に調停室に入室し、個別に調停委員に対し意見を述べていきます。そして、各々の主張を聞いた調停委員が、相続人全員の合意に向けて意見の調整を図っていきます。なお、裁判官は、基本的には話し合いには同席せず、調停委員から状況を都度聴取して全体の流れを把握しています。 第1回期日で話し合いがまとまらない場合には、第2回期日が設定され、調停が続きます。以降、調停が成立する見込みがある限り、順次期日が設定され、調停を行っていくことになります。

調停成立

話し合いがまとまれば、調停は成立し、調停で合意に至った内容をまとめた「調停調書」が作成されます。 この調停調書は、訴訟における確定判決と同じ効力を持ちます。つまり、債権の存在を公的に証明し、強制執行の根拠となる文書である「債務名義」の一つということです。そのため、調停で合意したにも関わらず、決めた遺産の分割方法を行わない相続人がいた場合には、調停調書によって強制執行し、調停で決めた内容を実現させることができます。 なお、調停調書は裁判所が作成します。調停成立後、調停条項を双方に対して読み上げて内容の最終確認を行うため、話し合って決めた内容と相違がないかどうか、このときにきちんと注意深く聞くようにしましょう。

成立しなければ審判へ

話し合いがまとまらず、調停不成立となった場合、遺産分割審判を行うことになります。遺産分割審判では、裁判所が遺産の分割方法を決定します。遺産分割協議や遺産分割調停とは異なり、相続人間の合意によって成立するわけではないため、最終的な決着をつけることができます。また、遺産分割調停を申し立てていれば、調停不成立の場合に自動的に審判に移行されるため、改めて遺産分割審判の申立てをする必要はありません。 なお、 遺産分割事件は、いきなり遺産分割審判の申立てをすることもできます。しかし、実際には、家庭裁判所の判断でまずは調停に回されることが多いです(=付調停)。 遺産分割審判についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

遺産分割審判の流れと注意点

調停不成立と判断されるタイミング

話し合いがまとまらないと調停不成立になりますが、この判断は調停委員会が下します。期日の回数に制限はないため、何回目の期日で調停不成立とするかは、個別の状況に応じて判断されます。「調停を続けても話し合いは平行線をたどる一方で、調停が成立する見込みがない」と調停委員会が判断したら調停不成立になり、自動的に審判に移行されることになります。

遺産分割調停はいつ、どこで行われる?

遺産分割調停は、調停が成立する見込みがある限り、1~2ヶ月に1回程度のペースで順次期日が設定されていきます。調停が開かれるのは平日の日中のみで、土日祝日や夜間に開かれることはありません。また、1回の期日にかかる時間は2時間程度です。 なお、遺産分割調停の申立て先は、申立人以外の各相続人(相手方)の居住地を管轄する家庭裁判所のいずれか、または当事者間で合意して決めた家庭裁判所になります。原則として、当事者全員が家庭裁判所に出頭し、調停を行わなければなりませんが、当事者のなかには、遠方に住んでいて出頭することが難しい方もいらっしゃるでしょう。このようなケースでは、出頭できないことについて相当の事情があると家庭裁判所が認めた場合、調停が行われる家庭裁判所に直接出頭せず、電話会議またはテレビ会議で調停に参加することができます。

遠方の遺産分割調停は弁護士にお任せください

遠方に住んでいる方にとっては、調停が行われる家庭裁判所に直接出頭することは大きな負担になるでしょう。そこで、前述したとおり、出頭できないことについて相当の事情があると家庭裁判所が認めた場合には、電話会議またはテレビ会議で調停に参加することができます。 電話会議の場合、代理人弁護士をつけて代理人弁護士の事務所と電話をつないで行う方法か、近くの家庭裁判所に行って電話をつないで行う方法でなければ、認められないことが多いです。本人確認と非公開性の担保のため、お互いの状況が映像ではみられず、音声のみのやり取りになってしまう電話会議の利用に対しては、判断は厳しいといえます。 一方、テレビ会議の場合は、テレビ会議システムが設置されている家庭裁判所に行く必要があります。しかし、テレビ会議システムが設置されている家庭裁判所は少ないため、近くにテレビ会議システムが設置されている家庭裁判所がない場合には、利用が難しいでしょう。 したがって、遠方に住んでいて、調停が行われる家庭裁判所に直接出頭することが難しい方は、弁護士に依頼することをお勧めします。テレビ会議の利用が難しく、電話会議を利用したい場合、代理人弁護士がついていないと認められにくいという事情があるためです。また、期日に行われる調停の内容によっては、代理人のみが出頭することで足りる場合もあり、電話会議を利用せずとも、弁護士を代理人にして代わりに出頭してもらうことができるケースもあります。 遠方から遺産分割調停に参加しなければならない場合には、弁護士に依頼することをご検討いただければ幸いです。

遺産分割調停にはどのくらいの期間がかかる?

遺産分割調停の成立・不成立が決まるまでには、一般的に半年から1年程度の期間を要することが多いです。しかし、一人でも合意しない当事者がいる、遺産の内容が複雑である等の個別の状況によっては調停が長引き、1年以上かかってしまうケースもあります。

遺産分割調停のメリット

遺産分割調停を行うメリットとしては、下記のような点が挙げられます。

・冷静に話し合いを行うことができる 遺産分割協議の場合、相続人間で直接話し合うため、感情的になり、話し合いがなかなかまとまらないおそれがあります。 一方、遺産分割調停の場合は、第三者である調停委員会を介入させて話し合うため、遺産分割協議よりも冷静に話し合いを行うことができます。

・遺産分割を進めることができ、解決を図ることができる 遺産分割協議の場合、相続人全員の合意が得られない限り、いつまで経っても協議は終了せず、遺産分割についての話し合いは進みません。 しかし、相続人のなかの誰かが遺産分割調停の申立てをして調停を行えば、家庭裁判所から期日を設定されるため、遺産分割についての話し合いが進んでいき、たとえ調停不成立になったとしても、遺産分割審判に自動的に移行され、最終的な解決を図ることができます。

遺産分割調停のデメリット

遺産分割調停を行うデメリットとしては、下記のような点が挙げられます。

・自身の希望通りの結果が得られるとは限らない
遺産分割調停は、第三者である調停委員会を介入させた話し合いであり、調停委員は相続人全員の合意に向けて意見の調整を図っていきます。したがって、調停の成立を目指すうえでは、自身の希望が100%通るとは限らず、相続人同士が譲り合い、互いの妥協点を模索し、話し合いを進めていくことになります。

・期間がかかり、長期化するおそれもある 遺産分割協議の場合、協議を行う頻度は相続人間の自由であるため、早期に協議を行い、相続人全員の合意を得ることができれば、協議は成立します。 しかし、遺産分割調停の場合は、1~2ヶ月に1回程度のペースで順次期日が設定され、調停の成立・不成立が決まるまでには、一般的に半年から1年程度の期間を要することが多いです。また、話し合いがなかなかまとまらず、長引いた場合には、1年以上かかってしまうケースもあります。

・基本的に法律上の主張しかできない 遺産分割協議の場合、相続人全員が合意すれば、自由に遺産の分割方法を決めることができ、例えば、法定相続分とは異なる相続分で相続することもできます。 しかし、遺産分割調停の場合は、家庭裁判所で行う手続であるため、基本的には法律上の主張とその立証をしていかなければなりません。

遺産分割調停で取り扱えないものもある

遺産分割調停において、話し合いの対象としては取り扱ってもらえない事項もあります。 調停で取り扱ってもらえない事項の一つに、「使途不明金」があります。例えば、被相続人の預金通帳を確認したところ、生前または亡くなった後に、多額の引き出しがなされていた場合や、ある相続人が遺産の使い込みをしている疑いがある場合に、このような使途不明金が問題になることがあります。調停を行う際には、遺産分割の対象となる範囲を確定させておく必要があります。したがって、遺産分割の対象となるかどうかはっきりしない使途不明金については、基本的には、調停では取り扱ってもらえません。調停ではなく、「不当利得の返還請求」や「不法行為に基づく損害賠償請求」といった民事訴訟を行う必要があるでしょう。 また、「遺言の効力」についても、調停では取り扱ってもらえません。法的に有効な遺言書がある場合、遺言の内容通りに遺産分割を行うことになります。ただし、相続人全員が合意すれば、基本的には遺言と異なる遺産分割を行うことができます。そもそも、遺言書が有効であるか無効であるか、遺言の効力について争いが生じた場合には、遺産分割を行う前に、「遺言無効確認請求」という民事訴訟等を行う必要があります。

以下に該当する場合、調停不可!申立てをする前に確認が必要なもの

相続人が確定していない場合

遺産分割は、相続人全員が参加して行われなければなりません。したがって、遺産分割協議の際と同様に、遺産分割調停においても相続人全員の参加が必要であり、相続人が確定していなければ、調停を利用することはできません。調停の申立てをする際に、「被相続人が出生してから亡くなるまでのすべての戸籍謄本類」といった書類が必要であることからもお分かりいただけるでしょう。 遺産分割調停は、遺産分割協議と同様、相続人全員が参加しなければなりません。したがって、相続人が確定していない場合、調停を利用することができません。 相続人を確定させるためには、法定相続人に該当する者を調べる「相続人調査」が重要です。 法定相続人が誰であるかを調べる「相続人調査」についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

相続人調査の方法

認知症の相続人がいる場合

認知症の相続人がいる場合、遺産分割協議の際と同様に、遺産分割調停においても、判断能力の程度に応じて成年後見制度を利用する必要があります。前述したとおり、調停には相続人全員の参加が必要であるため、相続人が認知症だからといって、その者を除外して調停を行うことはできませんので、ご注意ください。 認知症の程度が重く、判断能力を欠く常況にある者(成年被後見人)については、成年後見人が代わりに遺産分割調停に参加することになります。また、認知症の程度が中程度で、判断能力が著しく不十分な者(被保佐人)については、保佐人が同意を与える形で遺産分割調停に参加することになります。 なお、認知症の程度が軽く、判断能力が不十分な者(被補助人)については、原則として本人が単独で遺産分割を行うことができますが、家庭裁判所から補助人に与えられた役割によっては、遺産分割調停において補助人の同意が必要になるケースもあります。 認知症の相続人がいる場合についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

遺産分割協議と認知症

未成年の相続人がいる場合

未成年の相続人がいる場合、未成年者は法律行為を行うことができないため、遺産分割協議の際と同様に、遺産分割調停においても、法定代理人が遺産分割調停に参加する必要があります。通常は、未成年者の親権者が法定代理人になります。 なお、法定代理人も相続人である場合には、未成年者と利益が相反してしまうため、別途、特別代理人を選任する必要があります。そして、選任された特別代理人が、代わりに遺産分割調停に参加することになります。 相続人に未成年者がいたとしても、その者を参加させずに遺産分割調停を行うことはできません。しかし、民法において、未成年者の意思能力は不完全であるとされており、原則、未成年者自身のみで法律行為を行うことができないため、未成年の相続人がいる場合には、その法定代理人が遺産分割調停に参加することになります。 なお、未成年者とその法定代理人が、ともに相続人であることがあります。このように利益相反が生じてしまう場合には、家庭裁判所に特別代理人を選任してもらわなければなりません。 未成年の相続人がいる場合についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

相続人に未成年がいる場合の遺産分割協議

遺言書がある場合

遺言書がある場合、遺言は最大限に尊重されるべきものであるとされているため、原則として、遺言の内容通りに遺産分割を行っていくことになります。したがって、遺産分割協議はもちろん、遺産分割調停を行う必要はありません。ただし、相続人全員が合意すれば、基本的には遺言と異なる遺産分割が可能になり、遺産分割協議や、必要に応じて遺産分割調停・遺産分割審判を行っていくことになります。 なお、遺言の内容通りに遺産分割を行うのは、遺言書が法的に有効であることが前提にあります。そのため、そもそも遺言書が有効であるか無効であるか、遺言の効力について争いが生じる場合があります。このような場合には、遺産分割調停ではなく、まずは「遺言無効確認請求」という民事訴訟等を行う必要があります。 遺言書の効力についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

遺言書の効力と無効になるケース

最大限に尊重されるべきものであるとされている遺言ですが、遺言においても遺留分を侵害することはできません。遺留分とは、法定相続人(※兄弟姉妹とその代襲者(甥・姪)を除く)に対して保障されている、最低限の相続分のことをいいます。 なお、遺言で侵害されている遺留分を確保するためには、「遺留分減殺請求」を行う必要があります。遺留分減殺請求が行われて初めて、遺留分を侵害する部分についての遺言は無効になります。遺留分減殺請求の方法として、まずは意思表示を行い、それでも応じてもらえない場合には、遺産分割調停とは別の調停を行うことになります。 遺留分減殺請求についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

遺留分減殺請求とは

有効な遺産分割協議書がある場合

有効な遺産分割協議書がある場合、遺産分割協議書の内容通りに遺産分割を行うため、遺産分割協議書の内容に不満があるからといった理由で調停を行うことはできません。有効な遺産分割協議書があるということは、相続人全員が遺産分割協議に参加し、合意したということです。有効な遺産分割協議書は、法的拘束力を有しているため、相続人は遺産分割協議書の内容に従う必要があるのです。 ただし、詐欺・強迫によって遺産分割について合意した場合等には、遺産分割協議書が無効であることを主張していくことになります。このように、そもそも遺産分割協議書が有効であるか無効であるか、遺産分割協議書の効力について争いが生じる場合には、調停ではなく、まずは「遺産分割協議無効確認訴訟」という民事訴訟を行う必要があります。

有効な遺産分割協議書がある場合、記載されている内容に従わなければならないため、たとえ遺産分割協議で決まった遺産分割の方法に不満があったとしても、そのことを理由に遺産分割調停を行うことはできません。 ただし、詐欺・強迫によって協議に合意したといった場合には、成立した遺産分割協議の無効を主張することが可能です。遺産分割協議の効力を争うことになるので、遺産分割調停ではなく、まずは「遺産分割協議無効確認請求」という民事訴訟等を行わなければなりません。

遺産の範囲が確定していない

遺産の範囲が確定していなければ、遺産分割調停を行うことはできません。そのため、遺産分割協議の際と同様に、遺産分割の対象がどのくらいあるのか、積極財産(プラスの財産)と消極財産(マイナスの財産)すべてを含めた相続財産の調査を行う必要があります。 遺産の範囲が確定していない場合の例として、遺産のなかに、本来は被相続人が所有者であるにも関わらず、名義が他の相続人や第三者になっている財産があるというケースが挙げられます。このような所有者について争いがある場合等には、まずは「遺産確認の訴え」という民事訴訟を行い、遺産の範囲を確定させなければなりません。

遺産分割調停に関するQ&A

調停に相手が来ないのですが、どうしたらいいですか?

家庭裁判所から呼出状が届いても相手方が応じず、調停に相手方が来ない場合があります。調停は、相続人全員が参加する必要があるため、欠席者がいる場合には話し合いは行われず、何度か通知で呼出しをしてもなお来ない場合には、調停不成立となり、基本的には審判に移行されます。 なお、家庭裁判所から呼出しを受けたにもかかわらず、正当な理由なく出頭しない場合には、5万円以下の過料に処せられますが(家事事件手続法258条1項(同法51条3項の準用))、実際にこのような処罰がなされることはほとんどないそうです。

平日の参加が難しいのですが、どうしたらいいですか?

調停は、1~2ヶ月に1回程度のペースで、平日の日中のみに開かれるため、仕事の都合で参加することが難しい方もいらっしゃるでしょう。原則として、当事者本人が家庭裁判所に出頭して調停を行わなければなりませんが、例外的に、やむを得ない事由があるときには、代理人を出頭させることができます。したがって、調停への参加が難しい場合、裁判所にやむを得ない事由があると認められれば、相続について利益相反がない者(基本的には弁護士)を代理人とし、代理人に代わりに出頭してもらうという方法をとることができます。なお、期日に行われる調停の内容次第で、本人が出頭しなければならない場合もあります。 その他、事前に家庭裁判所に連絡し、期日変更申請書を提出することで、調停の期日を変更してもらうという方法もあります。ただし、申請したからといって、必ずしも期日変更が認められるわけではないので、ご注意ください。

遺産分割調停で弁護士ができること

弁護士に依頼することで、遺産分割調停の申立てを代わりに行ってもらうことができます。したがって、遺産分割調停申立書の作成や、申立てをする際に必要な提出書類の収集といった煩雑な手続をご自身で行わなくて済みます。 また、弁護士を代理人にして遺産分割調停を行うことも可能です。弁護士を代理人にすることで、調停に同席してもらうことができます。さらに、調停への参加が難しく、裁判所にやむを得ない事由があると認められた場合で、期日に行われる調停の内容によっては、代理人のみが出頭することで足りることがあります。その場合には、代理人に代わりに出頭してもらうという方法もとることができます。 遺産分割調停では、基本的には法律上の主張とその立証をしていかなければならないため、法律知識を有する弁護士にサポートしてもらいながら調停を行うことは、とても心強いのではないでしょうか。 遺産分割調停を行ううえでは、身体的にも精神的にも負担がかかることが考えられます。このようなご負担を軽減するためにも、遺産分割調停を行う際には、まずは弁護士に相談することをお勧めします。