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遺言書のトラブルでお困りではありませんか?よくある質問

「遺言書を遺したいが、後にトラブルになることを防ぐため、どのように作成すれば良いのだろうか?」「見つかった遺言書について、相続人同士で揉めてしまっているが、どうしたら良いのだろうか?」等、遺言者と相続人の双方において、遺言書に対して様々な疑問点や不明点があるかと思います。 後にトラブルになることを防ぐため、また、トラブルが生じてしまったとしても適切に対応するためにも、疑問点や不明点は解消しておくことが大切です。 本記事では、遺言書に対して寄せられることのあるご質問と回答を紹介していきます。

目次

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遺言書を遺したい場合に関するQ&A

遺言書がある場合のメリットを教えてください。

遺言書を作成することで、法定相続人以外の者に遺産を与えることができ、遺産を寄付して社会貢献をすることもできます。また、誰にどのくらいの割合の遺産を相続させるのか、法定相続分とは異なる割合の相続分を指定することもできます。 法定相続分についての詳しい内容は、下記の各記事をご覧ください。

法定相続分について

遺言書がないとどんなトラブルが考えられますか?

遺言書がない場合、相続人間の話し合い(遺産分割協議)で遺産をどのように分配していくかを決めていくことになります。円満に話し合いがまとまれば良いのですが、相続人同士で揉めてしまい、話し合いがまとまらないと、遺産分割調停や遺産分割審判に至ることもあり、相続人間の関係性が、相続をめぐって悪化してしまうおそれがあります。 また、遺言書がないと、協議によって相続人間で遺産を分配していくことになるため、生前にお世話になった知人等、法定相続人以外の者に遺産を与えたくても、与えることは基本的にできなくなってしまいます。 遺言書がないことで考えられるトラブルは、相続をきっかけに親族関係が険悪になってしまうおそれがあることです。遺言書がない場合には、通常、遺産分割協議を行って、どのように遺産を分配していくかを決めます。しかし、遺産分割協議は相続人同士の話し合いによるため、円満に話し合いを進められず、揉めてしまうことがあるのです。結果として協議が不成立になり、遺産分割審判にまで発展してしまったら、裁判所が判断を下すことになります。 その他、遺言書がなければ、内縁の妻(夫)や知人といった、法定相続人に該当しない者に遺産を引き継がせることは基本的にできないということも、トラブルの一つとして考えられます。

公正証書遺言と自筆証書遺言の違いを教えてください。

公正証書遺言は、公証役場で公証人に作成してもらう遺言書のことで、自筆証書遺言は、遺言者が手書きで作成する遺言書のことです。自筆証書遺言には、手軽に作成することができるというメリットがある一方、公正証書遺言には、自筆証書遺言と比べ、内容の不備で無効になってしまうリスクが低く、紛失のおそれがないこと、遺言者が寝たきりであっても口述できれば遺言書を残すことができることといったメリットがあります。 公正証書遺言についての詳しい内容は、下記の各記事をご覧ください。

公正証書遺言について

公正証書遺言の内容は変更できますか?

遺言書の種類に限らず、作成した遺言書は、新たな遺言によって何度でも内容を撤回することができます。作成日付が新しい遺言書があれば、前の遺言書は撤回されるため、内容を変更したい部分について新しい遺言書を作成することで、前の遺言を変更したことになります。

特に遺言書を書いた方が良い人とはどんな人ですか?

遺言によってしかできない行為を行いたい場合や、遺産分割協議において相続人同士で揉めることが予想される場合、遺言書がないために原則の法定相続分通りに遺産分割すると、後にトラブルが生じるおそれがある場合等には、遺言書を作成しておいた方が良いといえます。 具体的には、下記のようなケースに当てはまる方は、特に遺言書を作成した方が良いでしょう。

お世話になった知人等、法定相続人以外の者に遺産を与えたい

遺言では、特定の者に遺産を与える(遺贈する)ことができ、法定相続人以外の者に対しても遺贈することが可能です。

妻に自宅を遺したい

遺言では、誰にどの遺産を与えるか、遺産分割の方法を指定することができます。

ペットの世話をしてもらいたい

ペットの世話をしてもらいたい人にペットを遺贈することや、ペットの世話をすることを条件に預貯金等を遺贈する(負担付遺贈)ことができます。

再婚であり、前妻(夫)との間に子がいる

前妻(夫)との間の子も法定相続人になるため、遺産分割協議において、他の相続人と揉めるおそれがあります。

遺産が分割しにくい不動産しかない

分割しにくい不動産を、原則の法定相続分通りに遺産分割すると、後に共同所有者間で揉める等、トラブルが生じるおそれがあります。

相続人が揉めない遺言書を作成するポイントを教えてください。

相続人同士で揉めることを防ぐためには、有効な遺言書を作成しておくことが大切です。遺言書が無効になった場合、相続人間の話し合いによって遺産をどのように分配していくかを決めることになり、揉めてしまうおそれがあるためです。

なお、有効な遺言書を作成したとしても、遺言書の内容に納得がいかず、相続人同士で揉めてしまうことがあります。そのようなことが予想される場合には、事前に相続人に対して説明しておくことも大切です。

内縁関係の妻に確実に相続させたいのですが、どうしたら良いですか?

内縁関係の妻は、相続開始時(基本的には被相続人(=遺言者)が亡くなったとき)に被相続人と法律上の婚姻関係を結んでいないため、法定相続人にはなりません。したがって、内縁関係の妻に、遺産を“相続させる”ことはできませんが、“遺言で遺産を与える(遺贈する)”ことはできます。 ただし、遺贈する場合、遺言執行者(※詳しくは、後の項目「3 遺言執行者に関するQ&A」で説明します。)がいなければ、不動産の相続登記の手続の際に、相続人全員と共同で手続をする必要があるため、遺贈された者と相続人で揉めてしまうことがある等、注意点もあります。 遺贈についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

遺贈について

法定相続人以外に相続させたいのですが、遺贈の記載について教えてください。

遺産を相続できるのは、法定相続人のみであるため、法定相続人以外の者に“相続させる”ことはできません。しかし、法定相続人以外の者に、“遺言で遺産を与える(遺贈する)”ことはできます。 遺贈には、大きく分けて包括遺贈と特定遺贈の2種類があります。包括遺贈の場合は、「Aに遺産の4割を遺贈する」というように、特定遺贈の場合は、「Aに〇の土地を遺贈する」というように遺言書に記載します。 遺贈についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

遺贈について

遺産分割協議を遺言書で禁止できますか?

遺言では、相続開始のときから5年を超えない期間を定めて、遺産分割を禁止することができます。したがって、遺産分割の禁止について遺言書に記載しておけば、相続人間で遺産分割協議を行うことを禁止することができます。例えば、未成年の相続人が成年になり、その者自身が遺産分割協議に参加できるようになるまで待ってほしいといったようなケースで有用でしょう。

遺産分割協議について

自宅以外に遺産がないのですが、遺言書は必要ですか?

自宅以外に遺産がない場合、遺言書を作成した方が良いでしょう。 例えば、被相続人の子3人のみが法定相続人であり、自宅にはそのうちの1人の子が居住していたケースで考えてみましょう。遺言書がないために法定相続分通りに遺産分割することになった場合、自宅に居住している子は、居住していない子たちから自宅を売却して分配するように言われ、自宅を追い出されてしまったり、遺産分割の方法について相続人同士で揉めてしまったりするおそれがあります。 このようなトラブルを防ぐため、遺言で遺産分割の方法を指定しておくことが有用です。今回の事例では、居住している子に自宅を相続させる遺言を作成しておくのが良いでしょう。ただし、他の相続人に遺留分があるため、遺留分減殺請求をされる可能性があります。 また、あらかじめ争いが生じることが目に見えている場合には、居住している子に自宅を相続させる代わりに、その子が、自宅に居住していない子たちに遺留分相当額の代償金を支払うこととする、「代償分割」を遺産分割の方法として指定することも考えられます。 遺産分割の方法についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

遺産分割の4つの方法について

子がいない夫婦です。遺言書は必要ですか?

子がいない場合、遺された配偶者にできるだけ多く遺産を与えたいのであれば、遺言書を作成した方が良いでしょう。 子がいないからといって、配偶者のみが相続人になるとは限りません。被相続人の親や兄弟姉妹が存命であれば、その者たちが配偶者とともに相続人になり得ます。 配偶者にすべての遺産を与えたい場合には、遺言書にその旨を記載すれば、実現できる可能性があります。ただし、兄弟姉妹(及びその代襲者(甥・姪))を除いた法定相続人には、最低限の相続分(遺留分)が保障されています。このような遺言をして、遺留分を侵害された法定相続人が遺留分減殺請求をしたら、遺留分を侵害する部分についての遺言は無効になります。しかし、遺留分は法定相続分より少ない割合ですし、配偶者の他に遺留分を有している法定相続人がいなければ(例:被相続人の配偶者と兄弟姉妹が法定相続人である場合)、このような遺言を実現することができます。 したがって、遺言書がないために法定相続分通りに遺産分割することになってしまうよりも、遺言書を作成しておいた方が良いでしょう。 法定相続分についての詳しい内容は、下記の各記事をご覧ください。

法定相続分について

相続人同士のトラブルを防ぐためにも、弁護士に相談して遺言書の作成を行いましょう

遺言書がない場合、相続人間で話し合って遺産をどのように分配していくかを決めていくことになるため、相続人同士で揉めてしまうおそれがあります。そこで、遺言書を作成しておけば、相続人同士のトラブルを防ぐことができる可能性が高まり、法定相続人以外の者に遺産を与えることもできます。 ただし、遺言通りに遺産分割が行われるためには、有効な遺言書を作成することが大切です。弁護士に相談・依頼することで、作成した遺言書の効力を確認してもらうことや、遺言書の作成をサポートしてもらうことができます。 遺言書を遺したいと考えているものの、遺言書の作成について不明点があったり、不安を抱かれていたりする場合には、まず弁護士にご相談ください。 相続が原因で、親族の関係性にひびが入ってしまうといったようなトラブルを防ぐためにも、遺言書は遺しておいた方が良いといえます。ですが、作成した遺言書が法的に有効ではなかった場合、遺言どおりの遺産分割を行ってもらえないおそれがあります。 そこで、弁護士であれば、遺言書の効力を確認することができますし、遺言書作成時にサポートすることもできます。遺言書を遺したいと考えているものの、作成に不安を抱かれている方は、まず弁護士に相談することをお勧めします。 遺言書を遺したい場合についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

遺言を遺したい場合について

遺言書があった場合に関するQ&A

無理やり書かされた遺言書が見つかりました。有効なのでしょうか?

民法上、詐欺や強迫によって書かせた遺言書は無効になるため、無理やり書かされた遺言書も無効になりますが、実際に遺言書を無効とするためには、遺言無効確認請求訴訟等を起こして、裁判所に遺言書が無効であることを認めてもらう必要があります。しかし、遺言書の無効を認めてもらうためには、無効事由を立証しなければなりません。つまり、今回のご質問のケースでは、遺言書が無理やり書かされたことの証拠が必要であるということです。そのため、立証が困難な場合には、遺言書の無効を認めてもらうことは難しいでしょう。 なお、遺言書の無効が認められた場合は、相続人間で遺産分割協議を行うことになります。

不備のある遺言書が見つかって揉めているのですが、無効にできますか?

民法に定められている遺言書の方式に従っていない遺言書であれば、無効になります。例えば、自筆証書遺言のケースでは、手書きで作成していない場合や遺言者以外の者が代筆して作成した場合、作成した日付の特定ができない場合等には、遺言書は無効になってしまいます。 なお、前述したとおり、実際に遺言書を無効とするためには、遺言無効確認請求訴訟等を起こす必要があります。

遺言書の内容が不平等で納得できないのですが、どうしたら良いですか?

被相続人の兄弟姉妹(及びその代襲者(甥・姪))を除いた法定相続人には、遺留分という、最低限の相続分が保障されています。遺留分は、遺留分減殺請求をすることで初めて確保することができます。 したがって、例えば、ご質問者の父が亡くなり、ご質問者の弟にすべての遺産を相続させる旨が遺言書に記載されていたとしても、ご質問者の遺留分が侵害されているため、弟に対して遺留分減殺請求をすることで、ご質問者は遺留分を確保することができます。 遺留分減殺請求についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

遺留分減殺請求について

認知症の父が書いた遺言書は有効ですか?

遺言者が認知症の方であった場合の遺言書の効力については、判例上、遺言者の認知症の程度と遺言書の内容によって判断されています。認知症の症状が軽度であったり、遺言書の内容が相当に簡単なものであったりした場合には、認知症の方が作成した遺言書であっても、有効とされる可能性があります。したがって、認知症の方が作成した遺言書だからといって、必ずしも遺言能力がないと判断され、無効になるわけではないのです。 認知症の程度や遺言書に記載されている内容に応じて、認知症の方が書いた遺言書が有効であるか無効であるかは変わるでしょう。というのも、判例では、これらの点を踏まえて遺言書の効力の有無が判断されているためです。したがって、遺言書が認知症の方によって書かれたものである場合、ただちに遺言能力がないとして無効になるとは限らず、有効であると認められる可能性はあるということです。 遺言書の効力についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

遺言書の効力について

遺言書があっても遺産分割協議はできますか?

遺言書があったとしても、相続人全員が合意すれば、遺言とは異なる遺産分割協議をすることができます。なお、遺言書で遺言執行者が指定されている場合や、法定相続人以外の者に遺贈されている場合には、遺言執行者と受遺者(遺贈を受ける者)の同意が必要になります。 ただし、遺言書に遺産分割の禁止について記載されている場合は、遺産分割協議を行うことはできません(※相続開始のときから5年間が上限になります)。また、相続させる旨の遺言がある場合には注意が必要です。相続させる旨の遺言がある場合、相続によって既に権利が移転しているため、この財産について贈与あるいは交換の協議を行うことはできても、いわゆる遺産分割協議を行うことはできません。 遺産分割協議についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

遺産分割協議について

遺言書の内容に偏りがあり、遺留分減殺請求をする予定です。請求の方法や注意点を教えてください。

遺留分減殺請求の方法としては、まず遺留分減殺請求の意思表示を行います。証拠として残るよう、内容証明郵便で行うことが一般的です。そして、意思表示しても相手方が支払いに応じてくれない場合や、意思表示した際に行った話し合いがまとまらない場合は、調停を行います。さらに、調停もまとまらない場合には、訴訟を起こし、裁判所に判断してもらうことになります。 なお、遺留分減殺請求をする権利は、遺留分を侵害されていることを知ったときから1年間行使しなければ、時効によって消滅してしまいます。また、相続開始後10年を経過したら、遺留分減殺請求をする権利を失ってしまいますので、これらの点にはご注意ください。 遺留分減殺請求についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

遺留分減殺請について

父の内縁の妻が遺言書検認の申立てをしたと通知が届きました。どう対処すれば良いですか?

ご質問の通知は、検認期日の通知であることが考えられますので、通知に記載されている期日に裁判所へ出頭することになります。なお、申立人(ご質問のケースでは、父の内縁の妻)以外の方の出頭は、任意になります。そして、申立人と出頭した相続人の立ち会いのもと、家庭裁判所が遺言書を開封し、検認手続を行います。 遺言書の保管者や発見者は、相続が開始したら、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対し、この検認手続を請求しなければなりません。そもそも検認とは、遺言書の変造・隠匿を防ぐための手続であり、遺言書の効力を判断するものではありません。 したがって、検認手続後に遺言書を確認したところ、内容に不備があったり、自身の遺留分を侵害されていたりした場合には、遺言無効確認請求訴訟や遺留分減殺請求を行うといった対応をしていく必要があります。

遺言書についてのご質問や有効性をめぐるトラブルは、お気軽に弁護士にご相談ください

遺言書があったとしても、遺言書に不備がある、遺言書の内容が不平等である等で、相続人同士や、相続人と受遺者の間で、トラブルになってしまうことがあります。このようなトラブルが生じた場合には、裁判所での手続が必要になることもあり、手続には専門知識を要します。 法律の専門家である弁護士であれば、個別の状況に応じたトラブルへの対処法を提案することができ、必要な手続を代わりに行うこともできます。 どのような遺言書が無効とされるのか、トラブルが生じた場合にはどう対処し、どのような手続が必要になるのか、遺言書があることで様々な疑問や不安を抱かれている方も多くいらっしゃるかと思います。そのような方は、まず弁護士にご相談ください

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遺言執行者に関するQ&A

遺言書で遺言執行者に指名されたのですが、何をしたら良いですか?

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人のことで、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有しています。 ご質問者のように、遺言書で遺言執行者に指名されたとしても、遺言執行者になることを拒否することはできます。一方、遺言執行者になることを承諾した場合には、相続人を確定したうえで、遺言執行者になった旨を相続人全員に通知し、相続財産の調査、財産目録の作成、相続財産の管理、遺言の執行といった遺言執行者の任務を行っていくことになります。

遺言書で遺言執行者に指名されたら、まずは遺言執行者になることを承諾するか拒否するかを選択します。承諾した場合は、相続人を確定したうえで、遺言執行者になった旨をすべての相続人に通知し、相続財産の調査や、財産目録の作成と交付、遺言内容を実現するための手続といった、遺言執行者の任務を行っていきます。

遺言書に遺言執行者の指定がないのですが、どうしたら良いですか?

遺言書があるからといって、絶対に遺言執行者が必要であるというわけではありません。 ただし、「認知」「相続人の廃除・廃除の取消し」「一般財団法人の設立」という、遺言執行者でなければできない行為が遺言書に記載されていた場合には、遺言執行者が必要になります。 遺言執行者が必要なケースで、遺言書で遺言執行者が指定されていない場合、相続人や受遺者、遺言者の債権者といった利害関係人が、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立て、遺言執行者を選任してもらうことになります。

遺言書で指定された遺言執行者の任務に不満があります。解任できますか?

遺言執行者がその任務を怠ったときや、その他正当な事由があるときは、相続人や受遺者、遺言者の債権者といった利害関係人が、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てることで、解任の請求を行うことができます。請求が認められれば、遺言執行者は解任されます。 ご質問のケースでは、遺言執行者の任務に不満があるということですが、例えば、任務を長期間放置している、経過の状況等を報告するように請求しても無視されるといったケースであれば、解任の請求は認められる可能性があります。

遺言執行者について不明点やお悩みがあれば、ぜひ弁護士にご相談ください

遺言執行者がいれば、相続人全員が合意して遺言とは異なる遺産分割が行われることを防ぐことができるとともに、相続手続において相続人と受遺者が揉めてしまうことを防ぐこともできます。遺言執行者が必要ないケースであったとしても、遺言書の内容を実現してもらうため、遺された者同士でトラブルになることを防ぐため、遺言者は遺言書で遺言執行者を指定しておいた方が良いでしょう。 遺言執行者を指定したいものの、遺言書にどのように記載したら良いのか、指定する際に注意点はあるのか等、不明点やお悩みがある場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。 なお、遺言執行者には弁護士を指定することもできます。遺言執行者の任務は、専門知識を要しますし、煩雑で労力のかかることでしょう。法律の専門家である弁護士であれば、遺言執行者の任務を確実に、そしてスムーズに行うことができます。遺言執行者を指定する際は、弁護士に依頼することをご検討いただければ幸いです。

遺言書がなかった場合に関するQ&A

遺言書がなく遺産分割がこじれています。どう対処したら良いですか?

遺言書がない場合、遺産分割協議を行い、相続人間で話し合って遺産をどのように分配していくかを決めていくことになります。協議には、いつまでに終わらせなければならないという期限はありません。しかし、相続税の申告が必要な場合には、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告しなければなりません。このように、遺産分割がなかなか進まないことは、他の手続に影響を及ぼすことがあります。 ご質問のケースが、協議がまとまらずにこじれているのであれば、対処としては、遺産分割調停を行い、家庭裁判所の調停委員会を介入させて話し合うという方法が挙げられます。たとえ調停が不成立になってしまったとしても、自動的に遺産分割審判に移行され、裁判所の判断で遺産分割の方法が決められます。したがって、調停を申し立てることで、遺産分割を進め、最終的な解決を図ることができます。 遺産分割協議についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

遺産分割協議・遺産分割調停・遺産分割審判、それぞれについての詳しい内容は、下記の各記事をご覧ください。

遺産分割協議について 遺産分割調停の流れについて 遺産分割審判の流れについて

遺言書がなく、父の面倒をみた長男が「自分がすべて相続するのが当然」と言ってくるのですが、どうしたら良いですか?

遺言書がない場合、原則、法定相続分に応じて遺産分割します。ただし、遺言書がない場合には、遺産分割協議を行うことが一般的であり、相続人全員が合意すれば、法定相続分とは異なる相続割合で遺産分割することもできます。 また、民法には、生前に被相続人の財産の維持・増加のために特別に貢献した相続人に対し、貢献した分を寄与分として、遺産を多く受け取れるようにしようとする制度があります。ご質問のケースでは、長男が寄与分を主張していると考えられます。寄与分は、寄与した者自身が主張し、相続人全員の合意を得ることができれば、受け取ることができます。 したがって、ご質問のケースでは、まず遺産分割協議を行い、長男の寄与分について争うことになるでしょう。 寄与分についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

寄与分について

遺言書がなかったので遺産分割協議した後、隠し財産が見つかったのですが、どうしたら良いですか?

基本的には、すでに成立した遺産分割協議は有効であり、新たに見つかった相続財産についてのみ、追加で遺産分割協議を行えば良いとされています。また、相続人全員が合意のうえ、新たに見つかった相続財産を含めたすべての相続財産を対象に、遺産分割協議をやり直すこともできます。 遺産分割協議成立後に相続財産が見つかり、対処に困ってしまうという事態になることを防ぐためには、遺産分割協議を行うにあたり、漏れなく正確に相続財産を調査することが重要です。また、このような事態に備えて、遺産分割協議において、新たに相続財産が見つかった場合の取り扱い方についてあらかじめ定め、遺産分割協議書にその旨を記載しておくことも有用です。

遺産分割協議後、遺言書が見つかったのですが、どうしたら良いですか?

遺産分割協議で決めた内容が、見つかった遺言書の内容に反する場合、基本的には、成立した遺産分割協議は無効になり、遺言通りに遺産分割することになります。しかし、相続人全員が合意すれば、遺産分割協議で決めた内容のまま遺産分割することができます。 ただし、見つかった遺言書において、遺言執行者が指定されている場合や、法定相続人以外の者に遺贈されている場合、「認知」「相続人の廃除・廃除の取消し」「一般財団法人の設立」という、遺言執行者でなければできない行為が記載されていた場合には、相続人全員が合意したとしても、成立した遺産分割協議は無効になる可能性があります。

遺言書がない場合でも、円満な遺産分割を行うためにぜひ弁護士にご相談ください

遺言書がない場合、遺産分割協議を行い、相続人間で話し合って遺産をどのように分配していくかを決めていくことになります。スムーズに話し合いがまとまれば良いのですが、相続人同士で揉めてしまい、なかなか話し合いが進まず、トラブルに発展してしまうこともあります。 話し合いがまとまらない場合には、遺産分割調停を行うという方法もありますが、調停には費用や手続が必要ですし、時間もかかるため、できるだけ協議で円満に解決したいと思われる方もいらっしゃるでしょう。そのようなとき、弁護士が介入し、第三者である弁護士の専門知識に基づいた意見を聞くことで、各相続人が納得し、話し合いがまとまる可能性が高まります。 遺言書がなく、遺産分割協議を行うことになった場合には、相続人間の関係性を悪化させず、早期に遺産分割を完了するためにも、まず弁護士にご相談ください。 遺言書がなければ、遺産の分け方を決めるために遺産分割協議を行うことになりますが、スムーズに話し合いがまとまらず、相続人同士が揉めてしまう場合もあります。 このようにして協議不成立となってしまった場合、遺産分割調停を行うという方法もありますが、調停には費用や手続が必要です。また、時間も要するので、できるだけ協議で円満に解決したいと思われる方もいらっしゃるでしょう。そのようなとき、弁護士が介入し、第三者である弁護士の専門知識に基づいた意見を聞くことで、話し合いがまとまりやすくなります。 遺言書がない場合でも、親族関係を悪化させず、そして早期に遺産分割を完了するために、まず一度弁護士に相談してみることをご検討いただければと思います。