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効力のある遺言書について解説!無効になるケースとは?

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遺言の効力を発生させるためには決まりがあります

遺言書の効力

遺言書は、どのように書いても効力が発生するわけではありません。法的に有効な遺言書を作成し、効力を発生させる、つまり遺言の内容を実現してもらうためには、民法で定められている方式に従って遺言書が作成されていなければなりません。また、遺言の内容についても、遺言書に書くことで効力がある事項(遺言事項)が民法等の法律で定められており、それ以外の事項は、遺言書に書いても法的な効力はありません(付言事項)。 遺言書は、遺言者が自身の意思を伝えるために作成するものであり、遺言書を作成することは、遺言者の死後に起こるおそれのある、相続について相続人間での争いを防ぐことに繋がるでしょう。そのため、遺言書の方式や内容について正しく理解し、法的に有効な遺言書を作成することがとても重要です。遺言書の書き方についてご不明な点がある場合や、不安を抱かれる場合には、弁護士にご相談いただくことをお勧めします。 次項以降では、まず、遺言事項と付言事項について、具体的にどのような内容があるのかを確認していきます。なお、遺言事項を「財産に関する事項」・「身分に関する事項」・「遺言執行に関する事項」に大きく分け、これらの分類の他にも遺言事項として効力がある事項を「その他」として、それぞれ説明していくこととします。

遺言事項:財産に関する事項

財産処分(遺贈)

遺言で特定の者に遺産を与えるという財産処分のことを、遺贈といいます。遺贈を受ける者のことを受遺者といいますが、法定相続人以外の者を受遺者とすることもできます。そのため、遺贈によって、法定相続人ではない内縁関係にある人やお世話になった知人に遺産を与えたり、遺産を団体に寄付したりすることもできます。 遺言では、特定の者に遺産を引き継がせるという財産処分(遺贈)ができます。遺贈を受ける受遺者の対象は、法定相続人に限定されているわけではないので、内縁関係にある人や知人といった、法定相続人に該当しない者に遺産を引き継がせたい場合には、遺贈するという方法が有用です。また、遺贈によって、遺産を団体に寄付することもできます。

相続分の指定

法定相続人が、それぞれ遺産をどの程度の割合で相続するのかという遺産分割の割合は、民法で定められています(法定相続分)。しかし、遺言において、この法定相続分とは違う割合で、各法定相続人の相続分を指定することができます。例えば、法定相続人が遺言者の配偶者と父母であった場合、法定相続分は「配偶者:3分の2、父:6分の1、母:6分の1」ですが、遺言で「配偶者:4分の3、父:8分の1、母:8分の1」という相続分にすることもできます。 各相続人にどのくらいの割合で遺産を相続させるか、遺言で相続分を指定することができます。法定相続分に従った割合によらない相続分での指定ができるので、法定相続分が「配偶者:3分の2、父:6分の1、母:6分の1」であるところを、「配偶者:4分の3、父:8分の1、母:8分の1」とすることもできるということです。

遺産分割方法の指定

遺言において、遺産分割の割合の他、遺産のうちどの遺産をどの相続人に与えるのか、遺産分割方法自体を指定することができます。つまり、「土地Aを妻に、建物Bを子に与える」というような遺言を残した場合、その内容どおりに遺産を分配することができるということです。

遺産分割の禁止

遺言において、相続開始時(基本的には被相続人(=遺言者)が亡くなったとき)から5年を超えない範囲で、遺産の分割を禁止することができます。相続人のなかに未成年者がおり、その者が成人して自身で相続について意思決定ができるようになるまで待ちたい、といったようなケースで用いられることのある制度です。なお、遺産の一部のみについてでも、遺産が特定されていれば、遺産の分割を禁止することができます。

相続人相互間の担保責任の指定

ある相続人が引き継いだ遺産に欠陥や問題があった場合、他の相続人らは、各相続分に応じて、欠陥や問題がある遺産を引き継いだ相続人が被った損害を賠償する責任(相続人相互間の担保責任)を負っています。この相続人相互間の担保責任を、相続人のうち誰が負うのか、各相続人がどの程度の割合で負うのかといったことを、遺言で指定することができます。

遺言事項:身分に関する事項

非嫡出子の認知

内縁の妻との間の子や、愛人との間の子のように、婚姻関係にない男女の間に生まれた子(非嫡出子)は、父親から認知されることで、法律上の親子関係が成立し、婚姻関係にある男女の間に生まれた子(嫡出子)と同様に相続人になることができます。通常、生前に父親自身が、認知届を父親または認知する子の本籍地の市区町村へ提出して認知しますが、遺言で認知することもできます。 遺言で認知する場合、遺言執行者が認知の手続を行うことになるため、遺言執行者の選任が必要になります。なお、遺言執行者については後ほど説明します。

未成年後見人の指定

遺言者に未成年の子がおり、遺言者が亡くなることでその子の親権者がいなくなる場合、未成年後見人の選任が必要になります。未成年後見人とは、親権者がいない未成年者の身上監護や財産管理を、親権者の代わりに行う者のことです。この未成年後見人の選任方法は、未成年者本人またはその親族が家庭裁判所に申し立てる他、未成年者の最後の親権者が遺言で指定することもできます。

生命保険の受取人の変更

生命保険の死亡保険金の受取人を変更したい場合、通常は、保険の契約者本人が直接保険会社と手続をしなければなりませんが、平成22年4月1日施行の保険法により、遺言において、死亡保険金の受取人を変更することもできるようになりました。 ただし、保険法施行前に締結した契約について、遺言で死亡保険金の受取人を変更できるかどうかは、保険会社の判断によります。また、契約上の受取人が死亡保険金を受け取った後に、受取人変更について記載された遺言書がみつかり、相続人がその旨を保険会社に申し出たとしても、保険会社には対応してもらえません。このような場合、当事者間の話し合いによって解決するしかなく、トラブルになることも考えられるため、遺言で死亡保険金の受取人を変更する際にはご注意ください。

相続人の廃除

被相続人は、ある相続人を廃除し、相続権を失わせること(相続廃除)ができます。生前に被相続人が家庭裁判所に申し立てて相続廃除する他、遺言で相続廃除することもできます。ただし、相続廃除は簡単には認められず、被相続人に対して虐待していた場合・被相続人に対して重大な侮辱をした場合・著しい非行があった場合(例:働かないで被相続人のお金を浪費していた等)といった一定の条件に該当している必要があります。 なお、遺言で認知する場合と同様、遺言で相続廃除する場合には、遺言執行者が相続廃除の手続を行うことになるため、遺言執行者の選任が必要になります。 被相続人の意思で、相続人のうちある相続人の相続権を失わせるという、相続人の廃除ができます。相続人の廃除の手続方法としては、被相続人が家庭裁判所に申し立てて行う生前廃除の他、遺言で意思を示して行う遺言廃除があります。遺言廃除の場合、遺言執行者が手続を行うため、遺言で認知する場合と同様、遺言執行者を選任しなければなりません。 相続人の廃除についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

相続(人)廃除について

遺言事項:遺言執行に関する事項

遺言執行者の指定

遺言の内容を実現する権限を持つ者を遺言執行者といい、遺言において、この遺言執行者を指定することができます。 遺言書があるにもかかわらず、遺言執行者が指定されていない場合には、相続人全員が合意し手続きを行えば遺言の内容を実現することもできます。しかし、遺言の内容に不服がある相続人がおり、遺言書の内容を実現できない場合は、遺家庭裁判所に申し立てて遺言執行者を選任してもらう必要があります。 これまで何度か「遺言執行者」という言葉が出てきましたが、遺言の内容を実現する権限を持つ者を意味しています。遺言では、この遺言執行者を指定することができます。相続人のみでも、遺言どおりに手続を行うことは可能です。しかし、先に述べた非嫡出子の認知や相続人の廃除といった行為のように、遺言執行者でなければできない行為があります。遺言に、このような行為が記載されているにもかかわらず、遺言執行者の指定の記載はない場合、家庭裁判所に申し立て、選任してもらわなければなりません。

遺言事項:その他

これまで説明してきた財産・身分・遺言執行に関する事項の他、下記のような事項も、遺言事項として効力があります。

祭祀承継者の指定

祭祀承継者とは、墓石・墓地・仏壇・位牌等の祭祀財産を引き継ぐ者のことです。遺言で指定されていない場合には、通常、慣習によって承継されます。

一般財団法人の設立

一般財団法人は、官庁の許可を要せずに設立することができます。設立の手続は、遺言執行者が行うことになるため、遺言執行者の選任が必要になります。なお、設立するには300万円以上の拠出金が必要になり、遺言者の遺産のなかから拠出することになります。

特別受益の持ち戻しの免除

ある相続人について、生前贈与を受ける等の特別受益があった場合、特別受益分を遺産に加えて相続人間で分配し、特別受益を受けた相続人の相続分から特別受益分を差し引くという、特別受益の持ち戻しを行うことになります。この特別受益の持ち戻しをしないよう、遺言で意思表示をすることができます。

遺留分減殺方法の指定

ある相続人が遺留分減殺請求を行った場合、通常は、民法の原則に従って、他の相続人の相続財産から遺留分を減殺していくことになります。しかし、遺言において、どの相続財産から遺留分を減殺していくのか、遺留分減殺方法の指定をすることができます。(相続法が改正により、遺留分減殺請求は金銭請求のみとなります) なお、遺留分や遺留分減殺請求については、後ほど説明します。

信託の設定

信託とは、一定の目的のため(例:遺産を運用し、ある人物にその収益を渡してほしい等)に、被相続人(=委託者)が受託者に遺産を移転し、遺産を管理・処分してもらうことです。通常は、生前に委託者と受託者が信託契約を締結して信託を設定しますが、遺言で信託を依頼し、信託を設定することもできます。

付言事項

遺言書に書いても法的に効力がない付言事項には、下記のような事項があります。もちろん、法的に効力がないからといって、遺言書に書いてはならないわけではありません。遺言書は、遺言者が自身の意思を伝えるために作成するものなので、伝えたいことがあれば、その旨を遺言書に書くことができます。

      
  • ・葬儀に関する事項(例:葬儀をしないでほしいという依頼、埋葬方法の指定等)
  •    
  • ・遺留分減殺請求の禁止
  •   
  • ・臓器提供の意思表示
  •   
  • ・家族やお世話になった方たちへの感謝の思い

民法で定められた遺言書の方式は大きく分けて4種類あります

冒頭で述べたとおり、法的に有効な遺言書を作成し、効力を発生させるためには、民法で定められている方式に従って遺言書が作成されている必要があります。民法で定められている遺言書の方式には、大きく分けて下記の4種類があります。

  • 自筆証書遺言

    遺言者が手書きで作成する遺言書のことです。手軽な方式ではありますが、遺言書が発見されないおそれや、不備があって無効になってしまうおそれもあります。また、自筆証書遺言の場合、遺言書の変造や隠匿を防ぐために、相続開始時に家庭裁判所の検認という手続が必要になります。

  • 秘密証書遺言

    遺言者が手書きやパソコンで遺言書を作成し、封をしたうえで公証役場に持ち込み、公証人に一定の処理をしてもらった遺言書のことです。遺言書の内容を誰にも知られずに、公証人に遺言書の存在を証明してもらうことができます。しかし、公証役場で保管されるわけではないため、遺言書が発見されないおそれがあります。また、公証人が内容を確認できないため、内容に不備があって無効になってしまうおそれもあります。なお、自筆証書遺言の場合と同様、秘密証書遺言の場合には、相続開始時に家庭裁判所の検認という手続が必要になります。

  • 公正証書遺言

    遺言者が証人2人とともに公証役場に行き、証人2人の立ち会いのもと、公証人に対して遺言の内容を口頭で伝え、公証人に作成してもらう遺言書のことです。外出が難しい場合には、公証人に病院や自宅等へ出張してもらうこともできます。遺言書の原本は公証役場で保管されるため、遺言書の変造や隠匿の心配はなく、家庭裁判所の検認は不要です。

  • 特別方式の遺言書

    死が迫っていたり、一般社会から隔離された場所にいたりして、①~③の遺言書(普通方式の遺言書)を作成できない場合に、特別方式で作成した遺言書のことです。 例えば、病気や怪我で死が迫っているときに行う一般危急時遺言(民法976条:死亡の危急に迫った者の遺言)では、証人3人が立ち会い、そのうちの1人に対して遺言の内容を口頭で伝え、筆記してもらい、遺言書を作成してもらいます。なお、20日以内に家庭裁判所で確認手続(※検認とは異なります。)を行わなければ、一般危急時遺言は無効になってしまいます。 その他にも、難船危急時遺言(民法979条:船舶遭難者の遺言)一般隔絶地遺言(民法977条:伝染病隔離者の遺言)船舶隔絶地遺言(民法978条:在船者の遺言)といったものが、特別方式の遺言書として挙げられます。

法定相続人以外にも遺産を与えることは可能

先に述べたとおり、遺言によって特定の者に遺産を与える遺贈は、法定相続人以外の者に対しても行うことができます。そして、個人だけではなく、団体でも、遺贈を受ける受遺者になることができます。

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効力が発生する時期は?

遺言の効力が発生する時期は、原則、遺言者が亡くなったときです。しかし、この原則には例外があり、停止条件付遺言の場合には、その条件が成就したときに効力が発生します。停止条件付遺言とは、「Aが~したら〇銀行の預金を相続させる(遺贈する)」といったように、条件が成就するまで効力を停止するという停止条件をつけた遺言のことです。条件の例としては、「Aが結婚したら」「Aが△に合格したら」「Aが□を卒業したら」といったものが挙げられます。また、条件が成就しないことが確定した場合には、その部分の遺言については無効になります。なお、遺言者が亡くなる前にすでに条件が成就している場合には、無条件の遺言となり、遺言者が亡くなったときに遺言の効力が発生します。

受遺者が先に死亡していた場合の効力は?

遺言者が亡くなる前(停止条件付遺言の場合には条件の成就前)に、受遺者(遺贈を受ける者)が亡くなっていた場合には、遺贈の効力は発生しません。つまり、受遺者の子が遺贈を受けるというような、代襲相続と同様のことは受遺者については行われず、遺贈を受ける権利は一代限りの権利になるということです。この場合、遺贈の対象となっていた遺産は、相続人間で分配されることになります。 ただし、遺言書で「遺言者より先に受遺者が死亡している場合には、受遺者の子に遺贈する」というような特別の記載(予備的遺言)をしていた場合、その定めには効力が発生することになります。

勝手に開封すると、過料があります

勝手に開封すると過料があります

遺言書を発見したら、相続開始時に家庭裁判所の検認という手続が必要になります。検認をしていない場合、遺言書の内容に基づいた相続の手続ができません。検認は、遺言書の存在をすべての法定相続人に通知し、遺言書の形状や内容等を明らかにして、後に遺言書が変造・隠匿されてしまうことを防ぐために行われる手続であり、遺言書が有効であるか無効であるかは判断されません。なお、公正証書遺言の場合には、検認は不要になります。 また、封がされている遺言書の開封は、検認の際に、基本的には法定相続人全員の立ち会いのもと、家庭裁判所において行わなければなりません。勝手に遺言書を開封した場合、5万円以下の過料という行政処分が科せられる可能性がありますので、ご注意ください。 なお、勝手に遺言書を開封してしまったとしても、遺言書が無効になることはありませんし、開封した者の相続権が失われることもありません。ただし、勝手に遺言書を開封した場合においても、公正証書遺言以外の遺言書には検認が必要になりますので、きちんと行いましょう。

遺言と異なる遺産分割は可能か?

遺言書がある場合、遺言で指定されたとおりに遺産分割を行っていくことになりますが、相続人全員が合意すれば、遺産分割協議を行い、遺言と異なる遺産分割ができます。 ただし、遺言で遺言執行者が指定されている場合には遺言執行者の同意が、遺言で相続人以外の者に対して遺贈されている場合にはその受遺者の同意がなければ、遺言と異なる遺産分割はできません。 また、遺言において、遺産の分割が禁止されている場合や、指定した遺産分割方法以外で遺産を分割することを禁止する意思が明確にされている場合には、遺言と異なる遺産分割はできない可能性があります。 遺言書があったとしても、すべての相続人が合意することで、遺言で指定された内容と異なる遺産分割を行うことは可能です。 ただし、その際には注意していただきたいことがあります。まず、遺言において、遺言執行者についての記載や、相続人以外の者に遺贈する旨の記載がなされていたら、遺言執行者と受遺者の同意が必要であるということです。 その他、遺言で遺産の分割が禁止されている場合には、そもそも遺産分割協議を行うことはできないので、この点もご注意ください。なお、遺産の分割を禁止できる期間は、最大5年間とされています。

遺言書が無効になるケース

遺言書が無効になるケース

遺言書が無効になるケースとして、下記のような場合が挙げられます。

  • ・民法に定められている遺言書の方式に従っていない ※例えば、自筆証書遺言では、「手書き以外(パソコン・音声・動画等)で作成した」「日付の記載がない、または日付の特定ができない」「遺言者以外の者が代筆して作成した」「遺言者の署名・捺印がない」といった場合には、遺言書が無効になってしまいます。
  • ・2人以上が共同で作成した遺言書
  • ・詐欺や強迫によって書かせた遺言書
  • ・作成時に遺言者の意思能力が無い状況で作成された遺言書

遺言書が有効になるケース

前述した遺言書が無効になるケースに該当しておらず、遺言者が下記のような者の場合は、遺言書は有効になります。

  • ・満15歳以上で、遺言能力がある
  • ・成年被後見人であるが、判断能力が一時的に回復しており、「医師2人以上が立ち会うこと」と、「立ち会った医師が、遺言書作成時に遺言者が判断能力を欠く状態でなかった旨を遺言書に記載し、署名・捺印している」という条件を満たしている場合

遺留分に注意~遺言の効力が発生しないこともあります~

法定相続人(※兄弟姉妹とその代襲者(甥・姪)を除く)に対して保障されている、最低限の相続分のことを遺留分といいます。遺留分の割合は、原則、法定相続分の2分の1ですが、相続人が両親をはじめとした直系尊属のみの場合には、法定相続分の3分の1になります。なお、遺言で遺留分が侵害されている場合、自動的に遺留分が確保されるわけではなく、遺留分減殺請求を行うことで、確保されることになります。 遺言書があったとしても、遺言で遺留分を侵害することはできません。法的に効力がない付言事項として「遺留分減殺請求の禁止」を挙げたのは、このことが理由になっています。 したがって、「法定相続人以外の者に遺産をすべて遺贈する」という遺言を残したとしても、法定相続人が遺留分減殺請求をすることで、このような遺言は、遺留分を侵害している限度において失効します。 法的に効力がある遺言事項として、「遺贈」「相続分の指定」「遺産分割方法の指定」といったことを挙げましたが、これらを遺言書に記載する際には、遺留分を侵害していないかどうかということに注意しましょう。 なお、遺留分減殺請求についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

遺留分減殺請求について

Q&A

遺言者が認知症の場合、遺言書を作成できますか?

遺言者が認知症の場合、判例上、遺言者の認知症の程度と遺言の内容によって、遺言書を作成できるかどうかが判断されています。つまり、遺言者が認知症だからといって、作成した遺言書が必ずしも無効になるというわけではありません。認知症の症状が軽度であったり、遺言の内容が相当に簡単なものであった場合には、作成した遺言書は有効とされる可能性があります。一方で、認知症の症状が重度であったり、遺言の内容が複雑なものであったりした場合には、作成した遺言書は無効とされてしまうおそれがあります。 遺言者が認知症だからといって、作成した遺言書が無効になるとは限りません。判例では、遺言者の認知症の症状の程度や、遺言に記載されている内容を考慮したうえで、遺言書の作成の可否について判断が下されています。例えば、認知症の症状が軽度であったり、遺言の記載内容が比較的簡易なものであったりした場合には、遺言書は有効であると認めてもらえる可能性はあります。

父が寝たきりの場合、遺言書を作成できますか?

寝たきりで、身体を起こすことができず、自筆で遺言書を書くことができない場合であっても、公正証書遺言であれば作成することができます。公正証書遺言は、原則、公証役場に行って公証人に作成してもらわなければなりませんが、外出が難しい場合には、公証人に病院や自宅等へ出張してもらうこともできます。 なお、公証人に出張してもらって公正証書遺言を作成した場合、通常の1.5倍程度の手数料や、公証人の日当・交通費といった費用がかかります。

遺言書は書き直しできますか?

遺言書は、作成後であっても、民法で定められている方式に従って新しく作成し直していれば、何度でも書き直すことができます。記載されている作成日付が新しい遺言書が優先されるため、書き直した前後の遺言書において、同一の遺産に対して異なる相続人(受遺者)を指定しているといった、抵触する遺言の内容がある場合、その部分については、前の遺言を撤回したものとみなされ、後の遺言が有効になります。 なお、書き直し前後の遺言書で同じ方式をとる必要はなく、自筆証書遺言を作成後、公正証書遺言を作成して書き直すことも可能です。

遺言書を書く場合、必ず書いておくべきことはありますか?

まず、遺言書の形式面については、民法で定められている方式に従っている必要があります。例えば、自筆証書遺言の場合であれば、遺言者自身で書くこと(自筆)や、作成日付を記載すること等です。民法上の方式が守られていない遺言書は、無効になってしまいます。 遺言書の内容面については、特に「必ず書いておかなければならないこと」があるわけではありませんが、例えば、相続について相続人間で争いが起こることが予想される場合には、遺言の内容どおりに遺産分割を行ってもらうために、遺言執行者を遺言で指定しておく等した方が良いでしょう。

遺言書を残すメリットは何ですか?

遺言書を残すメリットとして、遺言者の死後に起こるおそれのある、相続についての相続人間での争いの防止に役立つということが挙げられます。遺言は、最大限に尊重されるべきものであるとされているため、遺言書がある場合、基本的には、遺言で指定されたとおりに遺産分割がなされます。一方、遺言書がない場合には、相続人間で遺産分割協議を行い、遺産の分割方法を話し合いで決めていくことになります。相続人全員が納得して協議が成立すれば良いのですが、話し合いがまとまらず、調停や審判に至ることもあり、相続人間の関係性が相続をめぐって悪化してしまうおそれがあります。 また、遺言書を残すことで、法定相続人以外の者に遺産を与えることができるということも、メリットとして挙げられます。遺言書がない場合、相続人間で遺産を分配することになります。内縁関係にある者やお世話になった知人等、法定相続人以外の者に遺産を与えたいのであれば、遺言書で遺贈するようにしましょう。

遺言の効力を発生させるために~法的に有効な遺言書とは?~

これまで説明してきたとおり、法的に有効な遺言書を作成し、効力を発生させるためには、多くの注意点があります。せっかく遺言書を作成したにもかかわらず、不備があって無効になってしまっては、遺言の内容を実現してもらえず、相続人間で争いが生じてしまうおそれがあります。 法的に有効な遺言書を作成するためには、弁護士に相談・依頼することをお勧めします。弁護士に相談・依頼することで、すでに自筆証書遺言を作成している場合には、遺言書の効力を確認してもらえますし、これから遺言書を作成する場合には、作成のサポートをしてもらえます。また、大きく分けて4種類ある遺言書の方式のうち、公正証書遺言は、無効になる可能性が低く、紛失したり死後に発見されなかったりという事態を防ぐことができるので、有効な遺言書を作成するのに最も適しているといえますが、この公正証書遺言を作成する際の手続を、弁護士に代行してもらうこともできます。 遺言書の作成に不安を抱かれている場合等には、ぜひ弁護士に相談・依頼することをご検討ください。