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株式を手放したい場合の相続放棄について

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

被相続人(=亡くなった方)が株式を保有していた場合に、その株式の性質によっては、相続すると困った事態に発展するおそれがあります。 そこで、相続放棄を検討する方もいらっしゃると思いますが、本当に相続放棄をしても良いのかについて迷う方もいらっしゃるでしょう。 この記事では、株式が相続の対象となる場合について、相続することの問題点はなにか、相続放棄をするときに考えるべきことはなにか等について説明します。

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会社の「株式」の相続について

被相続人が代表取締役であった場合等には、相続人が株式を相続するケースがあります。経営者が自社の株式を保有していることは少なくなく、比較的小さな会社であれば、代表取締役が1人で全ての株式を保有していることも珍しくありません。 ただし、相続するのはあくまで会社の「株式」であって、被相続人の地位(代表取締役等)を引き継ぐわけではありません。そのため、いきなり経営を強制されるリスクは低いと考えられます。 それでも、株式の相続によって問題が生じるリスクはあります。なぜなら、日本の株式会社大半が非上場株式であり、他者への譲渡・売却が難しいからです。 非上場株式を相続することの問題点について、以降で解説します。

非上場株式を相続する問題点

非上場株式を相続すると、問題が生じるケースが多いため、会社の経営に携わるのであればともかく、経営に関与しないのであれば相続について慎重に考えるべきでしょう。 非上場株式は、上場株式と違って価格が定まっておらず、自由に売買できる市場がありません。そのため、相続すると、以下のような問題点が発生します。

①売却が難しい
②多額の相続税がかかるおそれがある

これらの問題点について、以降で解説します。

市場価格(価値)が不明確で売却が難しい

非上場株式は、価値(価格)が不明確です。なぜなら、非上場株式は株式市場で取引されていないからです。 株式市場とは、投資家同士が既に発行された株式の取引をする公の場所のことです。そこで株式の売買を行っていない株式は、市場価格が定まっていないことになります。 株主は、株主総会での決議に参加して、会社の経営に影響を与えることができますが、多くの投資家は、会社経営への関心が少なく、非上場株を買うメリットがあまりありません。そのため、非上場株式は、上場株式のようには買取手がつかず、売却が難しいのです。

多額の相続税がかかるおそれがある

非上場株式を相続すると、多額の相続税がかかるおそれがあります。 非上場株式は価格が不明確なので、専門家により価格が算定されます。そして、算定の結果、価格が高かった場合には、価格に応じた相続税が課されることになります。 株式を売却できれば、多額の相続税がかかっても損はしないでしょう。しかし、非上場株式は売却が難しいため、経営に関心がある場合はともかく、そうでない場合にはただ相続税がかかるだけで、デメリットが大きいおそれがあるのです。

株式を相続したくない場合、どのような手続きを取ればいい?

株式を相続したくない場合には、相続放棄や、対象の株式を会社等に買い取ってもらうことを考える必要があります。

相続放棄をする

相続放棄とは、相続人のプラスの財産(株式や預貯金、不動産等)もマイナスの財産(金融機関等からの借り入れ、ローン等の借金)も一切を受け継がない手続きです。 相続放棄をすることで、株式の相続を免れることができます。ただし、相続を放棄すれば、株式以外の財産も相続できなくなってしまいます。 また、相続放棄は相続の開始から3ヶ月以内に行わなければならず、基本的に撤回することはできません。そのため、相続放棄をする場合には、被相続人の相続財産の調査を期限内に行って、何が相続財産となるのか、相続放棄をすることにより相続した方がプラスにならないかを慎重に検討し、悔いのない選択をするようにしましょう。 相続放棄について詳しく知りたい方は、こちらの記事を併せてご覧ください。

相続人全員が相続放棄をした場合の株式は誰のものになる?

相続人全員が相続放棄をした場合、相続人が誰もいなくなってしまうため、以下の流れで手続きが進みます。

  1. ①相続財産の管理を行う「相続財産管理人」の選任を家庭裁判所に申し立てる
  2. ②相続財産管理人は、選任後、相続債権者(被相続人に対して債権を持つ人)等に弁済を行う
  3. ③弁済によって株式が相続債権者のものになる場合もあるが、相続債権者への弁済でも引取り手がいなかった場合には、株式は特別縁故者(被相続人と特別の関係にあった人)のものになる。
  4. ④特別縁故者もいない場合には、株式は国庫に帰属する

株式に限らず、他の相続財産の場合も、上記の手続きが踏まれます。

会社に株式を買い取ってもらう

中小企業の非公開株式の場合、株式が第三者の手に渡って株主が増えると、経営者の思いどおりに経営できなくなるおそれがあるため、会社が株式を買い取ろうとするケースがありますが、以下のような注意点があります。

  • 買取請求がされても、買い取る際の株式の価格について争いになるケースがある
  • 上場株式の場合には、買取価格は市場価格となりますが、非上場株式の場合には、その評価額が不明確
  • 相続人が第三者に株式を譲渡しようとするときに、会社の承認を得なければならないという制限がついている場合が多い

「譲渡制限付株式」とは?

譲渡制限付株式とは、会社にとって好ましくない人物が株主になることを防ぐため、売買について制限が設けられている株式をいいます。具体的には、売買の際に会社の承認を必要とするという制限が設けられています。 したがって、相続によって譲渡制限付株式を取得した相続人は、自由に株式を売却することができません。そのため、会社が第三者への株式の売却を承認しない場合には、会社に株式の買取りを請求することができます。 また、相続によって、会社にとって好ましくない人物が譲渡制限付株式を取得した場合には、会社から相続人に株式を売り渡すよう請求する権利も認められています。 なお、相続は譲渡ではないため、相続による株式の承継は譲渡制限の対象となりません。そのため、会社の承認を得ることなく、当然に株式を相続することができます。

株式を売却できても所得税・住民税がかかってくることに注意

株式を相続した場合、相続税がかかるのは当然です。加えて、株式を売却すると譲渡所得(売却益)が出ますから、譲渡所得に対しても所得税と住民税がかかります。 ですから、相続財産の清算を行う場合には、相続税+所得税・住民税がかかることを計算に入れなければならないため、注意が必要です。

株式と相続放棄に関するQ&A

親が亡くなり株式も含め全ての財産を相続放棄しましたが、親が大株主であった会社の株主総会などに参加する必要はありますか?

相続放棄をした相続人は、遺産に含まれている株式の議決権を行使することができません。もしも議決権を行使してしまうと、相続した財産(株式)を「処分」したという扱いとなってしまいます。 相続した財産を処分することは、財産を自分のものとすることの意思表明となってしまい、相続財産を相続した(単純承認)したものとみなされて、株式を含む全ての遺産を相続したことになってしまいます。 ここで、遺産に含まれる株式を除いても、他の株式が議決権の過半数に達していれば、他の株式を保有している株主だけで株主総会を行うことができます。しかし、遺産に含まれる株式が過半数に達しているケース等では、株主総会を行うことができません。 そこで、相続放棄をした場合は、勝手に議決権を行使したりすることは控え、株式を含む遺産を管理する「相続財産管理人」を選任してもらい、株式を買い取ってもらう等の手段を取る必要があります。

株式など全ての財産を相続放棄した場合、故人が経営していた会社をたたむ手続き等は誰が行いますか?

会社の清算は、株主総会の特別決議において株主の同意があり、清算人(会社解散後の清算事務を行う人)が決まっていればすることができます。つまり、会社をたたむ手続きを行う人は清算人です。 相続放棄をした場合、放棄した人は初めから相続人ではなかったものとして扱われます。したがって、相続放棄後に会社がたたまれ清算される場合でも、何ら処理にかかわる必要はありません。しかし、清算人は、定款で定められていない場合には、株主総会で選任することができ、特に必要な資格もないので、元相続人が清算人として選任されれば、会社の清算処理を行うこともできます。

株式を相続したくない場合の相続放棄について検討中・お困りのことがあればぜひ弁護士へ

株式を含めた遺産を相続放棄するときには、損をしないためにも考えておかなければならないことがたくさんあります。相続放棄は基本的に撤回することができないため、安易な相続放棄は避けなければなりません。 しかし、相続放棄を行うための期間は3ヶ月しかありません。その期間に遺産の内容を調査して、相続放棄をするメリットとデメリットについて判断するのは難しいでしょう。 そこで、非上場株式や、価値がわからない財産を相続した場合はすぐに弁護士に相談することをおすすめします。 株式の相続や相続放棄についてお困りでしたら、ぜひ弁護士へご相談ください。