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相続に関する問題は家族構成、親類構成、財産、遺書、または人間関係によって原因も解決方法も様々です。 ただ、よくあるのは、「故人は○○には遺産を渡さないと言っていた」というように故人の意思を代弁し合う争いや、「もっと現金があったはずだ」というような遺産捜しの争い、葬儀費用や遺産管理費用の精算に関する争いです。 更に、誰が話や書類をまとめるのかといった、手続き以前の問題で話し合いが進まない事もあります。遺言書がある場合でも遺留分が侵害されている場合、遺言の効力自体や遺産の範囲に争いがある場合等、争いが長引くことがあります。
相続問題を扱っていると、よく「被相続人は、相続人の●●だけには財産をあげたくないと言っていた」とか、「被相続人は、家だけはお前が守れと言っていた」という主張がなされます。 そしてそういった主張をすると、逆に対立する相手方からも、「とんでもない!被相続人は、▲のことを嫌っていたから、家を守れなんていうはずがない」とか、「被相続人からは、私がよく世話をしてくれたから、他の相続人よりも多目に遺産を取りなさいと言われていた」といった反論が出てきます。
こういった主張は、決して、双方、嘘をついているわけではないのですが、大抵、被相続人からそういった話を聞いた状況や時期が異なっていたり、他にも関係する話がある中で言われたものであってそのまま鵜呑みにできない場合が多いのです。ひどい時だと、被相続人がお愛想(リップサービス)的に言った話しであったりもします しかも被相続人の「言葉」は、時間とともに、益々(各相続人が意識すると否とにかかわらず)、各相続人にとって都合よくニュアンスが変わってきやすいのです。にもかかわらず、被相続人は既に亡くなっていますから、改めてその真意を確かめることもできないわけです。 従って、よほど、明確に被相続人の意思が明らかにならない限りは、こういった不明確な「被相続人の意思」を基軸にして相続問題を扱うことは危険です。手続きが無駄に長引いたり、相続人当事者間の悪感情を激化させてしまいます。
しかし現実には、こういった「故人の意思」を代弁し、相続手続きが複雑・長期化することが少なくありません。 そこで被相続人になる方は、相続に反映させたいご自身の「意思」があるなら、必ず、遺言を作成し、その「意思」を明確化させる必要があります。 特に、法定相続分とは異なる遺産の分け方をさせたいと思っている場合には、単に分け方だけを遺言に記載するのではなく、なぜそういった分け方をしたのかといったことも記載しておく方が望ましいのです。
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被相続人の「意思」が明確になることで、各相続人が、「被相続人はこう思っていた」という主張をせずに済みますので、無用な感情の悪化や手続きの長期化を避けられることになります。特に、弁護士にきちんとご相談の上で遺言を作成すると、当該事案ではどういったことに気を付けて分け方を決めたら良いのか、またそのように決めた理由についてどこまでどういった書き方をしたら良いのかを、将来の相続人間の紛争予防という観点からアドバイスを受けることができます。 相続を「争族」としない為、遺言作成と弁護士の活用をお勧めします。
相続問題では、「被相続人が所有していたはずの宝石が、他の相続人によって隠されている!」とか「被相続人と同居していた相続人の1人が、被相続人の口座から多額の現金を引き下ろして隠し持っている」等といった主張をされることがあります。
これは、「何が遺産に含まれるのか」という問題であり、とりわけ、生前、被相続人が相続人の1人と同居していたような場合に、起きやすい話しです。つまり同居していた相続人が、被相続人の財産(遺産)を事実上管理することが多く、その管理状況が不明確な時(他の相続人から不明確だと思われている場合も含みます)に出てくる主張です。 この遺産探しの主張が出てくると、相続手続きはとても面倒になります。
というのも、単に遺産分割協議をやれば良いという話しではなくなってしまい、まず、前提として、「何が分割対象である遺産なのか」ということを確定しなければならなくなるからです(遺産の範囲確認)。 遺産をどのように分けるのかということは、遺産分割協議といって、当事者間の話合いでまとまらなければ裁判所に調停を起こし、それでもまとまらなければ裁判所の審判で分割の仕方を決めて貰うという流れになります。 しかし遺産の範囲確認から問題になってしまうと、まず、裁判(訴訟)で「何が遺産なのか」を確定した上でないと、遺産分割協議に進めないということになってしまうのです。 当然、時間もかかりますし、「訴訟」という形になることで、当事者間の感情の悪化は激しくなります。 従って、相続問題では、この「遺産探し」の主張を予防する必要性は大変高くなります。 そして、その為には、被相続人になる方が、生前に遺言をきちんと作成し、遺言の中で「何が遺産であるか」を明確化する必要があります。
更に、存在する遺産について遺言への記載漏れを防ぐような工夫も必要になります。(財産は、被相続人が生きている限りは、無限に増えたり減ったりするものですから、遺言書への記載漏れという事態はよく起こることなのです。) 遺言作成にあたり、そういった点を細かく弁護士に相談することで、無用な「遺産探し」を防ぐことができます。
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相続問題では、遺産の管理費用や葬儀費用の精算についても問題になることが多いのです。 遺産の管理費用とは、例えば、遺産であるマンション(不動産)の管理費や固定資産税の支払いを指します。また、葬儀費用とは、被相続人の葬儀や法要でかかった費用についてどこまで遺産の中から又は相続人の間で負担し合うのかという問題です。
管理費用といっても、固定資産税などは管理費用として分かりやすいのですが、他方、遺産である不動産に賃借人がいた場合に、その賃借人に支払う立退費用は含まれるのかという話しになると、難しい話しになってきます。
同じく葬儀費用といっても、通常よりも盛大に葬儀を行った場合の費用を全て遺産から差し引くことが良いのか、或いは、香典返しについて香典で賄えなかった分はどうするのか、四十九日の法要でかかった費用はどうするのか等々、具体的な支払名目によって事細かに変わってきます。 しかもこれらの精算は、遺産そのものから差し引かれたり、或いは相続人の間で分担しあうことになる為、直接、相続人の相続額が減ったり或いは相続人自身が出費を余儀なくされることになります。他方、既に立替払いをしている相続人からすると、遺産管理費用或いは葬儀費用として認められないと、立替払いした全額をそのまま自腹を切ることになります。 その為、この点でも、相続問題が複雑化したり当事者間の感情を悪化させることが多いのです。
この「費用精算問題」を防ぐ上でも、遺言で、どういった費用について、誰がどういった割合で負担するのか明確にしておくことが有効です。 そして遺言作成の際に、弁護士にアドバイスを受けることで、実務上、どういった費用について問題になりやすいのかという点を踏まえた遺言作成が可能になります。
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葬儀費用は故人の必要経費とされ、相続財産から差し引いて計算することができます。 しかし、葬儀にかかった費用が全て差し引けるわけではなく、あまりにも多額な葬儀費用の場合は認められないこともあります。
子どもがいない場合には配偶者が全ての遺産を相続できると誤解している方がいらっしゃいますが、子どもがいない場合には直系尊属(父母、祖父母など)、兄弟姉妹(なくなっている場合にはその子)も相続人になります。
特定の相続人に遺産を集中させるため。遺産分割協議で他の相続人が相続を放棄すると決めることがあります。 このような合意は当事者の内部では有効ですが、被相続人の債権者に対し、相続を放棄したと主張することはできず、債務を負担することになります。
生命保険の死亡受取金は、相続財産ではなく受取人の財産とされます。 したがって、原則として遺産分割の対象にはなりませんし、相続放棄をしても受け取ることができます。
相続人には遺留分という、遺言をもってしても奪えない最低限の取り分がありますが、兄弟姉妹には遺留分がありません。 そのため、兄弟姉妹が相続人となる場合には、遺言を作成すれば兄弟姉妹に一切相続させないことも可能です。
よくあるのが、財産そのものを分けることが難しい場合です。 自宅の不動産と預貯金が相続財産の中心であり、被相続人と同居していた相続人の一人が自宅の取得を希望している場合などが典型です。 また、被相続人の死亡時に残っていた財産を単純に分けることが不公平だと争いになることもあります。 たとえば、相続人の一部が相続財産の維持形成に協力したり、長年にわたり被相続人の介護をしたりした場合(寄与分といいます)、相続人が被相続人から多額の生前贈与を受けていた場合(特別受益といいます)などです。 さらに、ある財産が遺産に含まれるかが争われることもあります。 たとえば、被相続人名義の預貯金について、名義だけのものであり実際には相続人が貯金したもので遺産ではないとか、逆に名義は相続人になっているが、実際に貯金したのは被相続人であるから遺産に含まれるといった争いが生じることがあります。
このように、相続には多くの複雑な問題があるため、知識の不足から不利益を受けることのないよう、弁護士に相談することをお勧めします。 また、弁護士に相談するメリットはそれだけではありません。 相続人同士で話し合いをしていると、感情的な対立が生じてしまうことがあります。 そうなると、相手の言い分が正しいと頭ではわかっていても、相手の言いなりになるのが納得できないとなって協議が長期化してしまうおそれもあります。 このような場合に、相続人に代わって弁護士が交渉することで、相手方も落ち着きを取り戻し、冷静に話し合いをすることができることもあります。