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遺言書の基礎知識|3種類の遺言書の特徴や作成・保管方法

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

遺言書とは、被相続人(遺言者)が遺産の分配方法等を指定するための、法的な効力をもつ文書のことです。 遺言書を作成しておけば、遺族のトラブルを防止できる可能性がありますが、よく分からないまま書いてしまうと、遺言書の有効性を巡って争いが生じてしまい、トラブルを悪化させてしまうリスクもあるため注意しましょう。 このページでは、遺言書の概要や効力、種類等の基礎的なことについて解説いたします。

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なぜ遺言書は必要か

なぜ遺言書を作成する必要があるのか?

遺言書は、遺産配分等を明らかにして、自分の遺志を実現するとともに、相続人間の争いを防止するために必要です。 遺言書がなければ、遺産は法定相続分に従って分配されるのが原則とされています。しかし、状況によっては、法定相続分では納得しない者が取り分を争うことが考えられるため、遺言書を作成しておくことでトラブルを防止できます。 遺言書を作成する必要性が高いと考えられる代表的な状況として、以下のようなケースが挙げられます。

  • ・配偶者はいるが子はいないケース
  • ・親族の関係が良好でないケース
  • ・内縁関係の配偶者や、前妻との間に生まれた子等がいるケース
  • ・遺産の大半が不動産等の分配が困難なケース
  • ・相続人に未成年者や行方不明者がいるケース
  • ・家業を継いでほしい者がいるケース
  • ・相続人でない者に遺産を渡したいケース

遺言書が無い場合はどうなるのか

被相続人が遺言書を作成していなかった場合には、相続人全員で遺産の分配について話し合い、それぞれの相続人の相続分を決めます。この話し合いを「遺産分割協議」といいます。 遺産は、民法で定められた割合(法定相続分)に従って分割するのが原則ですが、遺産分割協議による相続人全員の合意を条件として、法定相続分と異なる割合で分割することも可能です。 しかし、相続人のうちの1人だけでも合意に反対すると、いつまで経っても遺産分割協議が成立せず、争いが激しくなっていくおそれがあります。

遺言書と遺産分割協議、どちらの内容が優先される?

遺言書と遺産分割協議はどちらが優先か

相続人の一部または全員が、遺言書が存在しないことを前提として遺産分割協議を行った場合、後で遺言書の存在が明らかになったのであれば、遺産分割協議は基本的に無効となります。ただし、以下のような場合は、遺産分割協議書を優先することができます。

  • 全員が遺言書の存在を認識した後で、遺産分割協議の内容で遺産を分配する
  • 遺言の存在を知った後で遺産分割協議を行い、その内容で遺産を分配する

遺言書の効力 (遺言書に書く内容)

遺言書の効力で指定できることとして、主に以下のような事項が挙げられます。

  • ①財産の処分に関すること
  • ②身分に関すること
  • ③遺言執行に関すること
  • ④その他(祭祀承継者の指定、一般財団法人の設立等)

これらについて、次項より解説します。
また、以下のページで遺言書の効力について詳しく解説しておりますので、併せてご参照ください。

①財産の処分に関すること

財産の処分については、以下のような事項を遺言書に記載します。

  • ●相続分の指定
    各相続人が相続する遺産の割合を指定します。
  • ●財産処分(遺贈)
    親しかった人等に遺産を贈ることができます。
  • ●遺産分割方法の指定、分割の禁止
    どの遺産を誰に相続させるかを指定することや、5年以内の期間の遺産分割を禁止することができます。
  • ●相続人相互間の担保責任の指定
    相続人の誰かが相続した遺産に、普通は気づかないような欠陥があったときに、それによる損失を誰がどの程度負うのかを指定できます。

②身分に関すること

身分に関することについては、以下のような事項を遺言書に記載します。

  • ●未婚で生まれた子供(非嫡出子)の認知
    内縁関係にある女性等との間に生まれた子は、認知しなければ法律上の子になりませんが、遺言書で認知することにより法律上の子にすることができます。
  • ●未成年後見人の指定
    未成年の子がいる場合には、遺言で未成年後見人を指定できます。
  • ●生命保険の受取人の変更
    死亡保険金の受取人を変更したい場合には、生前に変更するだけでなく、遺言書によっても変更することができます。
  • ●相続人の廃除
    相続人の相続する権利を剥奪する「相続人の廃除」の意思表示を、遺言書によってすることができます。ただし、本当に剥奪するべきかを家庭裁判所で審査されます。

③遺言執行に関すること

遺言執行に関することについては、以下のような事項を遺言書に記載します。

  • ●遺言執行者の指定
    遺言書の内容を実現するために手続きを行う遺言執行者は、遺言書によって指定できます。
  • ●遺言執行者の指定の委託
    遺言執行者として相応しい者を指定する者を、遺言書によって指定できます。

④その他

その他のことについては、以下のような事項を遺言書に記載します。

  • ●祭祀承継者の指定
    墓石・墓地や仏壇等を引き継ぐ者(祭祀承継者)を、遺言書で指定できます。
  • ●一般財団法人の設立
    遺産を法人にして、その遺産を管理・運用する組織(一般財団法人)の設立することができます。
  • ●特別受益者の相続分の指定
    生前贈与等を受けた相続人(特別受益者)について、その生前贈与等を遺産の前渡しとして扱うかを指定できます。
  • ●信託の設定
    遺産を誰かに託して、運用や処分をしてもらうように指定することができます。

3種類の遺言書|それぞれの特徴や作成方法

自筆証書遺言 公正証書遺言 秘密証書遺言
概要 財産目録を除く全文を自筆し、自宅等に保管しておく遺言書 公証役場において、公証人に内容を伝えて、2人以上の証人が立ち会って作成してもらう遺言書 全文を自筆するか、パソコン等を用いて作成し、封印して公証役場で存在を確認してもらう遺言書
作成者 遺言者本人 公証人 遺言者本人
作成費用 不要 財産の価格に応じて手数料が必要 一律1万1000円の手数料が必要
秘密性 あり なし あり
証人 不要 2名必要 2名必要
保管方法 遺言者自身で保管※法務局での保管も可能 正本・謄本を遺言者自身、原本を公証役場で保管 遺言者自身で保管
検認手続 必要※法務局保管のものは不要 不要 必要

遺言書には、【自筆証書遺言】【公正証書遺言】【秘密証書遺言】の3種類があります。 それぞれ、定められた方式に従って作成しなければ無効となってしまいます。法的に有効な遺言書は、3種類の方式のいずれかでなければならず、録音や動画等は法的に無効です。 3種類の方式のうち、最も費用がかかるのは公正証書遺言であり、証人の選択を誤ると、遺言書の内容が外部に漏れるリスクもあります。しかし、公正証書遺言は公証人が作成するため、遺言者が自分で作成する他の方式と違って、無効となるリスクは低いといえます。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、財産目録を除く全文を自筆します。また、作成した日付と遺言者の氏名を明確に記載して押印します。このとき、印鑑はなるべく実印を用いて、印鑑証明書を添付するのが望ましいでしょう。

メリット

  • ・遺言者が自筆、押印できる状態であれば簡単に作成できる
  • ・費用が発生しない
  • ・遺言内容を秘密にできる

デメリット

  • ・書式や内容等に不備があれば無効となる
  • ・発見者が破棄・内容の改ざん等をするおそれがある
  • ・紛失のおそれがある
    ※2020年7月10日より法務局保管のものは破棄・改ざん・紛失のリスクが解消される

注意点

  • ・財産目録以外の部分を代筆やパソコン等により作成すると無効になる
  • ・日付が「吉日」等の特定できない記載だと無効になる
  • ・遺言書は単独のものでなければならず、他者との共同遺言は無効になる

自筆証書遺言の様式を知りたい方は、こちらの法務省のサイトをご確認ください。

自筆証書遺言の様式

公正証書遺言

公正証書遺言は、遺言者が公証人に遺言書の内容を伝えて、それにより公証人が作成します。作成には2人以上の証人が立ち会い、公証人が作成した遺言書には遺言者が署名し押印します。

メリット

  • ・書式や内容等に不備なく、有効な遺言書を作成できる
  • ・破棄・内容の改ざん・紛失等のおそれがない

デメリット

  • ・手数料のほか、証人費用(日当)が発生する場合がある
  • ・少なくとも公証人と証人は遺言内容を知ることになる
  • ・作成に時間がかかる

注意点

  • ・公証人は遺言能力を判断できないため、認知症等により無効とされることがある
  • ・作成のときに相続人の公平性には配慮しないため、遺族が納得しないおそれがある
  • ・口が軽い人を証人にすると、遺言の内容を他者に知られるおそれがある

秘密証書遺言

秘密証書遺言は、自筆またはパソコン等を用いて作成し、封筒に入れて封印してから、公証役場に存在を記録してもらいます。

メリット

  • ・代筆やPCでの作成も可能
  • ・遺言書が確実に遺言者のものであることを証明できる
  • ・遺言内容を秘密にできる

デメリット

  • ・公証人も書式や内容等の確認ができないため不備があれば無効となる
  • ・手数料のほか、証人費用(日当)が発生する場合がある
  • ・紛失のおそれがある

注意点

  • ・公証人は遺言書の内容を確認しないため、形式の不備等により無効になるおそれがある
  • ・検認する前に誰かが開封してしまうと、秘密証書遺言としては無効になってしまう

検認とは

検認とは、遺言書の状態や内容を家庭裁判所で確認する手続きのことで、詳細は以下になります。

  • ・遺言書の存在を明らかにして、改ざん等を防止するために行う
  • ・自筆証書遺言(法務局で保管していないもの)と秘密証書遺言は、検認せずに開封してはいけない
  • ・もし検認せずに開封しても、それによって遺言書が無効になるわけではないが、5万円以下の過料に処せられるおそれがあるだけでなく、他の相続人から改ざん等を疑われるおそれがある

自筆証書遺言保管制度について(法務省)

自筆証書遺言保管制度とは、法務局で自筆証書遺言の原本を保管してもらう制度です。 以前は、自筆証書遺言の以下のような問題点を解消する制度がありませんでした。

  • ・形式のミスにより無効になるおそれがある
  • ・紛失するおそれや改ざんされるおそれがある
  • ・発見しても、すぐに開封することができず、家庭裁判所で「検認」という手続きをしなければならない

これらの問題点について、自筆証書遺言保管制度を利用すれば、以下のように解消できる可能性が高いです。

  • ・形式のミスがないかを確認してもらえる
  • ・保管してもらえる
  • ・検認手続きが必要なくなる

また、自筆証書遺言であれば、保管してもらっても、公正証書遺言より費用は安くなります。 ただし、法務局では遺言書の内容までは確認しないため、遺言書の内容について複数の解釈ができる等の問題が発生するリスクがあります。公正証書遺言であれば、内容について公証人と協議することもできるため、遺言書の内容についての不安を軽減できます。

遺言書が無効になるケース

遺言書は、様々な理由で無効になることがあります。特に、自筆証書遺言が無効になるケースが多いですが、公正証書遺言であっても無効になるリスクがあります。 遺言書が無効になる主な理由を以下に挙げます。

  • ・遺言者が15歳未満だった
  • ・遺言者が騙されていた、あるいは脅迫されていた
  • ・遺言者が認知症等により判断能力を失っていた
  • ・遺言書が判読不能、あるいは遺産の内容が現実と大きく乖離している
  • ・自筆証書遺言なのに自筆でない、日付や押印がない等、形式的な誤りがある
  • ・古い遺言書とは全く内容の異なる、新しい遺言書が作成された

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遺言書に関するQ&A

遺言書に関してよくある質問について、以下で解説します。

遺言書に指定がない財産はどうなりますか?

遺言書に指定のない遺産は、その部分についてのみ相続人全員で遺産分割協議をする必要があります。 遺言書がなかった場合と同様に、基本的には法定相続分に従って分配しますが、相続人全員が合意すれば、法定相続分とは異なる割合で分配することも可能です。

遺言書がない場合のデメリットはありますか?

遺言書がない場合のデメリットとして、相続人間で遺産を奪い合うようなトラブルが発生することだけでなく、被相続人の預貯金が長期間に渡って凍結されることが挙げられます。 遺言書がある場合には、その他の必要書類とともに金融機関に提示することで、遺言書の内容に応じた金額を引き出すことが可能です。

身寄りがない場合、遺言書を書いても意味がないように思えるのですが

身寄りがない、すなわち相続人が存在しない場合、財産は死後、原則として国のお金(国庫帰属)になります。 したがって、それを本意とせず、財産は懇意にしている友人に全て“遺贈”したい等の意思がある場合には、その旨を「遺言書」に書き記す必要があります。 また、自身の葬儀やお墓の管理を託したい等の意思がある場合や、「遺言書」の内容が本当に執行されるか不安である場合には、それぞれ“祭祀継承者の指定”、“遺言執行者の指定”を内容に含めることも有用です。

遺言書に記載されていることは絶対に守らなければいけませんか?

遺言書に記載されていることを守らなくても良い場合があります。まず、遺言書で相続財産を分配された人を含めた相続人全員が合意すれば、遺言書とは異なる内容で遺産分割協議を成立させることができます。 また、民法で最低限保障された相続財産の取り分(遺留分)を有している法定相続人であれば、遺留分侵害額請求によって遺留分を取り戻すこともできます。

身体が不自由で文字が書けません。遺言書は作れますか?

文字が書けないと、自筆証書遺言を作成することは困難ですが、公正証書遺言を作成することはできます。 自筆証書遺言は、財産目録を除いて全文を自筆しなければなりません。一方で、公正証書遺言は公証人が遺言書を作成するので、遺言者が自筆する必要はありません。 ただし、公正証書遺言であっても、通常であれば遺言者本人が署名することになっています。ですが、遺言者が署名できないのであれば、その旨を公正証書に公証人が記載すれば良いとされています。 なお、遺言者が歩けなくても、公証人が出張して公正証書遺言を作成することが可能です。また、遺言者の口・耳・目などが不自由であっても、通訳を介したり、筆談をしたりすることによって意思を確認し、公正証書遺言を作成することができます。

遺言書に関するトラブルは、弁護士への依頼で予防・解決できる場合があります

遺言書を作成しておくことで、相続人間のトラブルを未然に防ぐことができます。 しかし、有効な遺言書でなければ被相続人の意思が実現されないばかりか、かえって相続人間のトラブルの原因となってしまうおそれがあります。 遺言書に関するトラブルは、相続人の人数や被相続人の財産等が事案により異なり、法律的な観点だけではなく、相続人間の人間関係への影響が考えられる等、さまざまな要因が絡み合う複雑な問題です。 弁護士が遺言書の作成に関われば、相続人をトラブルから守ることができます。また、遺言書が原因でトラブルに発展してしまった後でも、弁護士であれば、より的確な方法で解決に導くことができます。 遺言書についてお困りの方は、相続に詳しい弁護士が多数在籍する私たちに、どうぞご相談ください。