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特別受益とは|対象となる範囲や特別受益者・持戻しの免除について

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

親や祖父母が、子や孫が結婚したり、家を建てたりするときに、それなりの金額の支度金や頭金等を支払うことがあります。 このようなお金を渡された者と、渡されなかった者の間では、相続のときに不公平になってしまうおそれがあるため、「特別受益」という考え方によって、なるべく公平になるように調整する場合があります。 しかし、あらゆるお金のやり取りが特別受益になるわけではないため、相続のときには整理して考える必要があるでしょう。 ここでは、特別受益の範囲や計算方法、特別受益を考慮しなくて良いケース等について解説します。

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2分でわかる!【特別受益問題】特別受益ってなに?

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特別受益とは

特別受益とは、相続人が遺贈や生前贈与によって受けた利益のことです。 例えば、家を建てるときに、子が親から頭金を出してもらった場合には、その頭金が特別受益になります。 特別受益にあたる生前贈与等を受け取った相続人は、他の共同相続人から請求された場合には、遺産の一部を事前に受け取ったのと同様の扱いを受けます。これは、結果として不公平な相続になるのを是正することを目的としています。 例えば、唯一の親が亡くなり2人の子が相続する場合において、一方の子だけが遺産とほとんど同額の生前贈与を受けていたならば、さらに遺産を等分にして相続するのでは納得できないでしょう。 このような不公平を是正できるように、特別受益と遺産を調整できる制度が設けられています。

特別受益の持ち戻し

特別受益の持ち戻しとは、相続人が被相続人の生前に受け取っていた財産を遺産の一部だと考えて、その価額を足し合わせてから相続分を計算することです。 相続のときに必ず行うべきこととはされていないため、被相続人が免除する意思を表示した場合等については、持ち戻しをする必要はありません。 また、2019年の相続法改正により、一定の要件を満たすことによって、被相続人が持ち戻しを免除するとの意思を表示したことが推定されるようになりました。 詳しくは、「特別受益の持ち戻しの免除と遺留分」をご覧ください。

特別受益の時効

特別受益には時効がないので、基本的には、何年前の贈与であっても特別受益として扱われます。 ただし、遺留分の計算をする場合に限り、原則として、10年前までの贈与が持ち戻しの対象となります。

特別受益の計算方法

特別受益の計算方法として、まずは以下の式により「みなし相続財産」の金額を算出します。 みなし相続財産の金額=(相続開始時の相続財産価額)+(贈与価額) そして、みなし相続財産の金額を相続人の相続分にしたがって分配し、特別受益者については特別受益の金額を差し引きます。 例えば、唯一の親が亡くなって、相続開始時の遺産は5000万円であり、法定相続人は子A・子B・子Cである場合について考えます。 子Aは500万円の遺贈を受け、子Bは1000万円の生前贈与を受けていた場合には、みなし相続財産の金額は以下の計算から6000万円です。 みなし相続財産の金額(6000万円)=相続開始時の相続財産価額(5000万円)+贈与価額(1000万円) 子A・子B・子Cの法定相続分は同じであることから、「6000万円÷3」により子1人あたりの取り分は2000万円です。そして、子Aおよび子Bは特別受益者であることから、それぞれ特別受益額を差し引きます。 そうすると、子Aが相続により受け取る財産は「2000万円-500万円」により1500万円、子Bが相続により受け取る財産は「2000万円-1000万円」により1000万円、子Cが相続により受け取る財産は2000万円です。

特別受益の持ち戻しの免除と遺留分

特別受益の持ち戻しの免除とは、被相続人の意思表示などによって、生前贈与や遺贈を相続財産の一部とみなす「特別受益の持ち戻し」を行わないこととするものです。 持ち戻しを免除するための方式が定められているわけではありませんが、なるべく遺言書に明記し、証拠を残しておくのが望ましいです。 婚姻期間が20年以上の夫婦については、被相続人が配偶者に対して住居等を遺贈または贈与すると、特別受益の持ち戻し免除をする意思表示をしたと推定されます。 ただし、特別受益の持ち戻しの免除は、遺留分侵害額請求を受けると、遺留分を侵害している部分について失効します。なぜなら、遺留分は遺族の生活の保障や、公平性を保つこと等を目的とする制度であり、遺留分を請求する権利を守らなければならないからです。 なお、遺留分について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

遺留分とは?請求したい場合は弁護士へ相談

特別受益者の範囲

特別受益者になるのは、基本的に推定相続人だけです。なぜなら、特別受益は相続人の間で不公平が生じるのを防ぐための概念だからです。 また、親Aが子Bに贈与をした場合に、子BがAよりも先に亡くなって孫Cが相続していたときに、Aの遺産を孫Cが相続したら特別受益者になります。CはAから贈与を受けていませんが、Bの特別受益者としての立場についても相続したと考えられるからです。 婚姻や養子縁組をするにあたって、それらを前提として贈与をしていたときには、贈与の時点では推定相続人になっていなくても特別受益者に該当するケースもあると考えられます。 そして、推定相続人が直接贈与を受けたわけでなくても、贈与を受けた人がほとんど推定相続人と同視できるような事情があるときには、推定相続人の特別受益に該当する場合もあります。 例えば、推定相続人と同居している配偶者や子に対して贈与がなされた場合などです。

特別受益の対象となるもの(特別受益の範囲)

特別受益に該当するものとして、以下のようなものが挙げられます。

  • ①遺贈
  • ②婚姻のための贈与
  • ③養子縁組のための贈与
  • ④生計の資本としての贈与

それぞれについて、以下で解説します。

遺贈

遺贈とは、遺言書によって遺産の一部を特定の者に贈与することです。法定相続人に対する遺贈だけでなく、一定の者に対する遺贈も特別受益に該当する場合があります。 例えば、法定相続人の配偶者や子に遺贈することで、特別受益の持ち戻しを防ぎながら、実質的に特定の法定相続人の取り分を増やそうとする被相続人がいます。このようなケースについては、特別受益の持ち戻しが適用されることがあります。

婚姻のための贈与

婚姻のための贈与とは、結婚して家を出る女性に対する贈与です。具体的には、嫁入り道具や持参金等が特別受益に該当する可能性があります。ただし、これらが必ず特別受益になるわけではありません。 結婚する女性に支払うお金が特別受益になるためには、実家の資産に対して低くない割合の財産が渡されたケースに限定されるので、少額の持参金が特別受益になる可能性は低いです。また、結納金や挙式費用については親の社交上の出費としての性質があるため、特別受益に該当しない場合が多いと考えられます。

養子縁組のための贈与

養子縁組のための贈与とは、養子に行く者に対して支払われる持参金等のことです。 「普通養子縁組」であれば、実親との親子関係は解消されないため、相続しないと思い込み、遺産の代わりのつもりで多額の持参金を渡した場合等には特別受益とみなされる可能性があります。 「特別養子縁組」であれば、実親との親子関係は解消されるため、基本的には持参金が特別受益とみなされることはありません。 なお、養子の相続について全般的に知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

養子の相続について

生計の資本としての贈与

生計の資本としての贈与とは、生計の基礎として役立つような財産の贈与のことです。生活の資本とは、それなりの金額の、今後の生活を送るのに役立つ財産を指しています。 具体的に、生活の資本としての贈与に該当するのは、高額な学費やマイホームを建てるための資金、開業するための資金等です。通常の生活費等については該当しませんが、生活費として使うとは考えられないほど巨額であれば、特別受益に該当する可能性があります。 生前贈与が特別受益に該当するかは、被相続人の生前の収入や資産、生活レベル、社会的地位等によって左右されます。

高等教育のための学費

相続人のうちの1人が高等教育を受けたことについて、そのための費用が特別受益ではないかと指摘されるケースが多いです。 しかし、近年の日本においては、大半の者が高校に進学するため、高校の学費等が特別受益とされることはほとんどありません。 さらに、大学の学費等についても、進学率が上昇したために特別受益とされるのは珍しいといえます。ただし、1人だけ私立の医学部に進学した等、巨額の費用がかかった場合には特別受益とみなされるケースもあります。

原則、特別受益の対象とならないもの

相続人の誰かが利益を得たとしても、特別受益には該当しない場合があります。 以下のものは、特別受益にあたる可能性は低いといえます。

生命保険金

生命保険金は、受取人とされている者の固有財産とされているため、基本的には特別受益に該当しません。 ただし、生命保険金が高額であり、遺産の金額の多くを占めるようなケースについては、例外的に特別受益として扱われる場合があります。

死亡退職金

死亡退職金は、遺族の生活保障のために支給されるお金であることから、基本的に特別受益とはされません。 ただし、死亡退職金が高額であり、遺産を受け取った者との公平性をあまりにも欠いている場合については、例外的に特別受益として扱われると考えられます。

特別受益を考慮しないケース

特別受益を受けた場合であっても、以下の場合については、特別受益を考慮せずに済みます。

相続人が一人しかいない場合

相続人が1人だけである場合には、他の相続人との公平性が問題にならないので、特別受益を考慮する必要がありません。

遺言書に特別受益は考慮しない旨の記載がある場合

被相続人が、遺言書によって、「特別受益の持ち戻しを免除する」という意思表示をした場合には持ち戻しを行いません。これは、特定の法定相続人について(生前贈与等を含めた)遺産の取り分を増やしたいという被相続人の意思を尊重するためです。 ただし、特別受益の持ち戻しを免除しても、相続人の遺留分をなくすことはできません。そのため、特別受益によって遺留分を侵害していれば「遺留分侵害額請求」を受けることはあり得ます。

受益者が相続放棄をした場合

被相続人から生前贈与を受けていた者が相続放棄をすると、相続人ではなくなることから、特別受益の問題は生じなくなります。そのため、特別受益の持ち戻しを行うことはありません。 なお、生前贈与を受けたことによって、相続放棄ができなくなってしまうようなこともないので、3ヶ月以内に家庭裁判所に申述しましょう。 ただし、法定相続人の遺留分を侵害してしまうほどの生前贈与を受けていた場合には、相続放棄をしても「遺留分侵害額請求」を無効にすることはできないため、請求を受けるおそれは残ります。

マイナスの財産しか残っていない場合

マイナスの財産しか残っていない場合には、特別受益の問題は生じません。ここでいうマイナスの財産とは借金等のことです。 たとえ生前贈与が特別受益に該当するとしても、受け取った財産を返還する義務はないので、他の法定相続人に分配する作業は必要でないためです。

他の相続人が特別受益を主張しない場合

遺産分割協議において、他の相続人から特別受益についての主張をされた場合でなければ、特別受益の持ち戻しをすると申し出る必要はありません。 なぜなら、特別受益の持ち戻しを行うのは、他の相続人から「不公平だ」と主張された場合に限定されるからです。 遺産分割協議の場において、相続人が様々な主張を行うケースがあり、その一環として他の相続人から「あのときの贈与は特別受益ではないか」と指摘されるかもしれません。その場合には、特別受益に関する主張が正しいかを検討すると良いでしょう。

特別受益の証明

特別受益証明書とは、自身の相続分以上の特別受益を受けた者が、自らに相続分がないことを証明するために作成する書類です。 この書類を作成することによって、遺産分割協議に参加する必要がなくなります。遺産分割協議とは、相続人が全員集まって遺産の取り分や分配方法を話し合うことであり、全員が合意しなければ成立しません。そのため、自身の取り分がない者が、遺産分割協議に参加しなければならないおそれがあります。 そこで、特別受益証明書を提出することにより、遺産分割協議に参加せずに済むようになります。

特別受益をめぐる裁判例

【大阪高等裁判所 平成25年7月26日決定】

[事案の概要] 当該事案は、抗告人が遺言により取得した特別受益(不動産)につき、持ち戻しを免除する被相続人の黙示の意思表示があったか等が争われた事案です。

[裁判所の判断] 裁判所は、被相続人による遺言には持ち戻しを免除する旨の記載がないことを指摘しました。 さらに、持ち戻しの免除の意思表示は遺言でなくても可能だとしても、方式が定められている遺言については、方式が定められていない生前贈与の場合に比べて、より明確な持ち戻しを免除する意思表示が必要だとしました。 そして、遺言が作成された経緯を検討した結果、被相続人が、抗告人に法定相続分とは別枠で不動産を取得させようとしたのだとすれば、遺言に持ち戻しを免除する旨の記載がないことは不自然であるとして、抗告人の請求を棄却しました。

特別受益の主張は弁護士にお任せください

特別受益については、特別受益に該当するのか否か、該当した場合にどのように具体的な相続分や遺留分を計算するのか等の判断が難しいことが多いです。 相続問題の経験豊富な弁護士であれば、度重なる法改正も踏まえて、具体的な証拠に照らして合理的な判断や効果的な主張を行っていくことができます。これにより、紛争がいたずらに長期化することも防ぐことができます。 特別受益が問題になっている場合には、ぜひ私たちにご相談ください。