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遺産相続問題には遺言書を作成しておきましょう

弁護士と学ぶ相続Q&A

自身の死後、相続人が困らないようにしたいのですが…

相談者

最近、私の古くからの友人が亡くなりましが、お子さん達の間で遺産をどのように分けるかについて揉めていると奥さんから聞きました。 私には息子が3人、娘が1人おり、妻には先立たれていますので私が死んだら子供たちが私の遺産を分けることになるのだと思うのですが、子供たちは仲がよくありません。

友人の件を聞いて以来、私が死んだ後に子供たちが遺産の分け方で揉めるのではないかと心配でなりません何か対策はないものでしょうか?

弁護士

そのような場合には、遺言を残しておくことが一番有効な対策だと思いますよ。

相談者

そうですよね。実は私も過去に一度遺言を残すことを考えたこともあるのですが、遺言書を書くのはなんだか難しそうなので諦めたことがあります。

しかし、今は多少手間がかかっても遺言を残しておきたいと思いますので遺言について詳しく教えて下さい。

弁護士

そうですね。遺言は思い立ったときに作成するのが一番よいと思いますよ。

一言に遺言といっても、色々な種類がありますので一般的に作成されることの多い自筆証書遺言公正証書遺言についてご説明します。

まず、「自筆証書遺言」は、遺言をする人が自分で紙に書いて作るものです。ただし、全文・日付・氏名は自書し、押印しなければなりません(形式的要件)。

次に、「公正証書遺言」は、公証役場に行って公証人に作ってもらうものです。

遺言書の方式ごとのメリット・デメリットは何ですか?

相談者

どちらの方式で遺言する方が良いのでしょうか?それぞれの特徴を教えて下さい。

弁護士

自筆証書遺言の良いところは、一人ででき、紙とペンさえあれば手軽に作成できるところです。ただし、手軽である反面、相続開始後に家庭裁判所で検認手続(遺言書の偽造・変造を防止するために裁判所が遺言書の形状や内容などをチェックする手続)をとる必要があるなど手続上の煩わしさがあります。

また、記載内容が曖昧な場合には逆に紛争の原因となることもあります。

さらに、原本が1通しかないために保管方法(紛失や偽造・変造)にも気をつけなくてはなりませんし、何より法律で決められた形式的要件を満たさない場合には遺言が無効となります。

相談者

なるほど、自筆証書遺言は手軽な反面、気をつけないといけないことが多いのですね。

では公正証書遺言はどうですか?

弁護士

公正証書遺言は、自筆証書遺言を作成するよりも手間や費用はかかりますが、相続開始後に検認手続が不要となること、原本は公証役場に保管されるので紛失や偽造・変造されるおそれがないこと、法律で決められた形式的要件を満たさないために遺言が無効となるおそれがないなどといったメリットがあります。

また、遺言者が入院中の場合などは公証人が出張してもらって作成することもできますし、公証役場で検索して遺言が存在することを見つけてもらうこともできます。

ですので、確実性を重視するなら公正証書遺言にする方が良いでしょう。

相談者

2つの違いはよく分かりました。ただ、遺言の内容を一人で考えられるか不安なので誰かに相談しながら作成したいのですが、こればかりは子供たちとは相談できません。

遺言の内容が不満で子どもたちが揉めて遺言内容のとおり遺産が正しく分割されるか不安ですし、相続税などのことも含めて心配なのですが誰に相談をすればよいのでしょうか?

弁護士

そのようなご不安をお持ちであれば法律の専門家である弁護士に相談するのがよいでしょう。

弁護士は相続に関する法実務に精通していますので、遺言者それぞれの事情に応じて遺産の分け方などについて助言させていただくことができますし自筆証書遺言か公正証書遺言かに問わず遺言書の案を提案・作成させていただくこともできます。

相談者

確かに、法律の専門家である弁護士に相談すれば色々な疑問も解消できて安心して遺言ができそうですね。

弁護士

また、遺言書を作成するならば遺言執行者として弁護士を指定しておくことがよいと思います。

弁護士が遺言執行者となることで遺言内容どおりの遺産の分配が正確かつ円滑に行われるからです。

遺言執行者について教えてください。

相談者

遺言執行者とはなんですか?

弁護士

遺言執行者とは、相続開始後に公正中立な立場に立ち遺言の内容を執行して実現する人です。

遺言が作成されても、遺言の内容に不満を持つ相続人が非協力的な態度を取ることによって、例えば預金の解約などに困難が生じるなどして、遺言内容がスムーズに実現できない場合もあります。

この点、弁護士という専門的知識を持つ第三者を遺言執行者に指定しておくことで相続開始後に遺言内容どおりの遺産の分割が正確かつ円滑に行われることになりますので、今回のように相続人どうしが不仲な場合等、遺言内容の実現に障害が生じそうな場合には弁護士を遺言執行者として指定しておく方がよいでしょう。

相談者

なるほど、安心しました。

では、確実に遺言内容が実現されるよう弁護士さんに相談して公正証書遺言を作成したいと思います。

ただ、まだまだ不安なこともあるのでまた相談させてください。

弁護士

遺言にかかわらず、相続に関するご相談は何でも弁護士にお気軽にご相談下さい。

相続Q&Aは、具体的な案件についての法的助言を行うものではなく、一般的な情報提供を目的とするものです。
相続に関するお悩みは、弁護士法人ALGまでお気軽にご相談ください。

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