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相続放棄した結果、思い出の詰まったこの家から追い出されました。

遺産相続コラム

自分は相続放棄し、息子の名義にしたが…

幸せというのはなんともろいものなのでしょうか。一人息子が結婚し、私たち夫婦と一緒に仲良く暮らしていました。私たち夫婦はすでに退職していて、時間的にも金銭的にも程ほどにゆとりがあり、息子夫婦も働いていたので、それぞれに干渉しすぎずちょうど良い距離感で理想的に暮らせているとずっと思っていました。 ところが夫が突然病死し、夫の残した家と土地はいずれは息子のものになるのだからと、妻である私が相続放棄をして全ての財産を息子に相続させることにしました。これからやがて生まれてくる子供と妻とを支えてゆく息子にとって、これが一番良い方法だと思ったからです。 自分が相続放棄をして特に何の財産も手にすることが出来なくても、心優しい息子とその嫁と仲良くずっとこの家で暮らし続けて行けると信じて疑いませんでした。 ところが人生には何が起こるか全くわからないものです。息子が突然事故に巻き込まれて命を落とし、親である私よりも早く30代という若さでこの世を去ってしまったのです。夫に続いて大切な一人息子まで死んでしまったショックで、私は何も手につかず寝込んでしまっていました。 夫が残したこの家、今は息子名義になっていたこの家は息子の嫁と私が二人で住むには、なんと広く寂しく感じるのだろうと思いながら泣き暮らしていました。でも、私の悲しみはまださらに続いたのです。 夫が亡くなったときに家も土地も全て息子名義にして私は相続放棄したため、家と土地を相続した息子が亡くなったことで、この財産の名義は妻である息子の奥さんに全てわたることになったのです。息子の奥さんに言われてそのことにやっと気がついた私は、まさかその後夫や息子との思い出の詰まったこの家から追い出されることになるなんて想像もできませんでした。何故こんな仕打ちを受けなければならないのか、もう生きる気力が湧いてきません。

息子が亡くなっても相続権はあります!

本件で、ご相談者様が家から追い出されることはない可能性が高いです。ご相談者様には息子の遺産の相続権があるからです。 ご相談者様は、夫の遺産相続を放棄したので夫の遺産を相続することはできませんが、息子の分の相続放棄はしていませので、息子の遺産を相続する権利を持っています。父の遺産と息子の遺産は別だからです。 そうなると、次に息子の遺産の「相続人は誰?」というのが問題です。 配偶者がいるときには配偶者は常に法定相続人となりますが、第1順位の法定相続人が子供(直径卑属)、第2順位の法定相続人が親(直径尊属)となっています。 本件で、もし息子に子供がいたら嫁と子供が息子の遺産を相続します。その場合、ご相談者様には遺産相続権がありません。これに対し、息子に子供がいなかった場合には、嫁とご相談者様が遺産相続をします。今回のケースでは嫁とご相談者様の相続割合は、2:1となります。 本件では息子に子供が居られないようですので、ご相談者様には3分の1の遺産相続権が認められます。そこで、今後嫁と遺産分割協議を行い、家の相続についての話し合いをして引き続き家に住めるようにすると良いと考えます。

もし息子夫婦に子供が居たら…?

今回のケースで、息子に子供がいた場合には状況が異なります。この場合、子供が第1順位の法定相続人となるので嫁と子供が相続人となり、ご相談者様には相続権が認められません。 ただ、この場合でも相続人である嫁と子供が、ご相談者様が引き続き家に住むことを認めれば、ご相談者様は継続して家に住むことができます。 また、ご相談者様は息子から家を無償で使わせてもらっていたので、息子と使用貸借関係があったとも考えられます。そうなると、使用貸借関係が妻や子供に引き継がれるので、妻は当然にご相談者様を追い出すことはできず、まずは使用貸借契約を終了させる必要があります。 また使用貸借関係が終了するとしても、嫁や子供と賃貸借契約を締結して引き続き家に住むことができます。たとえば、ご相談者様が一部年金を嫁に渡すことや家事を行うことなどと引換に家に住む、などの方法です。これなら現状とそう変わらないのではないかと思います。 このように、遺産相続の場面ではいろいろな複雑な問題があります。困った事があったり、わからない事が有るときには弁護士に相談しましょう。