美濃加茂市で母が亡くなったのですが、遺言を無視して相続放棄することは可能でしょうか？

パート主婦（53歳）です。夫と二人暮らしで、息子と娘がそれぞれの家族と、市内に住んでいます。夫とその親戚はみなこちらが地元ですが、私の実家は岐阜県の美濃加茂市で、医療老人ホームに暮らす母親（79）と、同じ美濃加茂市内で自営業を営む兄夫婦がいるだけです。

進学で上京し、夫と出会って結婚してからは、実家とは縁遠くなっていました。広い土地を所有していた両親は、農業を営んでそれなりに裕福な家庭でしたが、特に保守的な母は私に非常に厳しく、あまりよい思い出がありません。兄夫婦に実家と母の事は全て一任し、私は年に一度美濃加茂市に帰省して、ホームに顔を出す程度でした。

そんな母が、先日心疾患で亡くなりました。5年前にホームに入居するまで、母が一人で暮らしていた実家で葬儀が営まれ、多くの人が参列しました。葬儀の後に、母の遺品整理や遺産相続について、兄夫婦と相談しました。兄によれば別の農家に貸し出している農地、老朽化の進んでいる実家の他に、千万単位の預貯金があるそうです。少し離れた所に小さな賃貸マンションもあり、これは近年大掛かりにリノベーションをしたので、いくらかマイナスになっているものの、すぐに家賃収入で回復できる見込みだそうです。

兄はこれらの遺産について語るとともに、自分の事業の苦境についても打ち明けました。数年前からほとんど利益が出ておらず、かなりの額の負債を作ってしまっているそうです。「おまえが相続放棄してくれたら、母さんの遺産でかなり楽になるのだけど…」と言われました。私はすでに夫の家の人間になったようなもので、実家に執着はありません。兄の苦境を救うのにも異論はありません。

ただ、母の遺言に「遺産は子ども達に」と言う風に記してあることだけが気がかりです。これを無視する形で相続放棄したら、死してなお怖い母に恨まれるような気がするのですが…。弁護士の先生に相談して、わだかまりや問題のない形で相続放棄を選びたいのですが、どうしたらよいでしょうか。