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監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
亡くなった親や配偶者に多額の負債がある場合には、相続放棄を考える方が多いでしょう。負債とは、借入金や未返済のローンだけでなく、未払いの医療費や家賃、滞納した税金等も含むマイナスの財産です。 この記事では、相続放棄する場合の債権者への通知義務があるか、債権者対応の流れや注意点等について解説します。
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法律上、相続放棄することについて、被相続人の債権者への通知義務はありません。相続放棄した者は、最初から相続人ではなかったものとして扱われるため、被相続人の債務は引き継がず、債権者との法的な関係も生じないからです。 相続放棄した後で、被相続人の借金の支払いを債権者から請求されても、拒否することが可能です。 相続放棄について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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相続放棄をする場合の債権者対応は、主に以下のような流れとなります。
この流れについて、次項より解説します。
相続放棄するべきなのかを確認するために、相続財産調査を行います。相続財産に高額な借金等が含まれていたとしても、預貯金や不動産、有価証券等によって十分に返済できる場合には、相続した方が得になることもあるからです。 相続放棄を検討している間に、債権者が裁判を起こし、裁判所から訴状や呼び出し状が届く可能性があります。 これらのような書面が届いたとしても、相続放棄をすることは可能です。 ただし、裁判所から届いた書面を無視していると、最悪の場合には債権者の言い分がそのまま認められてしまうリスクがあります。裁判所に連絡して、相続放棄を検討していることを伝えなければなりません。 裁判所から書面が届いた場合は、なるべく早く弁護士に相談しましょう。 相続財産調査の方法や費用等について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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債権者から相続人宛に督促が届いている場合は、相続放棄の意思を伝えることが望ましいです。法律上、債権者に通知する義務はありませんが、相続放棄を伝えることで督促が止まるケースが多く見られます。 この際、借金を支払えない理由などを説明する必要はなく、「相続放棄をした」という事実のみを簡潔に伝えるようにしましょう。 一方で、被相続人宛に督促が届いている段階では、債権者に連絡することで相続人に対して請求が及ぶ可能性があるため、注意が必要です。特に、違法性が疑われる闇金などの債権者には、絶対に連絡しないようにしてください。
相続放棄申述書を作成し、被相続人の戸籍謄本や住民票等の必要書類を収集して、相続放棄を申し立てます。申立先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。 相続放棄の期限は、自己のために相続が発生したことを知ってから3ヶ月です。それまでに申立てをする必要がありますが、相続放棄は却下されるおそれがあります。 却下されると、2週間以内に即時抗告することは可能ですが、もう一度申し立てることは基本的にできないため、相続放棄できないことが確定してしまうおそれがあります。 相続放棄の手続きは、弁護士に依頼することをおすすめします。 相続放棄の期限について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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相続放棄をしたら、債権者に「相続放棄申述受理通知書」を提示します。相続放棄の手続きを弁護士に依頼していた場合、債権者への連絡や説明等の対応も併せて依頼することが可能です。 相続放棄申述受理通知書とは、相続放棄が受理されると自動的に交付される書類です。ほとんどの債権者は、相続放棄を行ったことについて納得して、借金等の支払いを求めることはなくなるでしょう。 相続放棄によって相続人がいなくなった場合には、相続財産から債権を回収するために、債権者は相続財産清算人の選任を申し立てることが可能です。 なお、債権者が原本の受領を望んでいる場合には、裁判所に「相続放棄申述受理証明書」を発行してもらうことができます。証明書は、債権者が発行を請求することも可能です。 相続放棄申述受理証明書について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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相続放棄するときの、債権者への対応において注意するべき点として、主に以下のようなものが挙げられます。
これらの注意点について、次項より解説します。
被相続人の債権者から督促されても、相続放棄を検討している間は被相続人の借金を返済してはいけません。被相続人の借金を相続財産から返済すると、「単純承認」をしたとみなされて相続放棄できなくなってしまうからです。 単純承認とは、相続財産に含まれるプラスの財産とマイナスの財産をすべて相続することです。 自分の財産から支払えば単純承認にはなりませんが、相続財産からの支払いを疑われるリスクがあるだけでなく、支払った金銭等は基本的に返ってこないため、損害を受けるおそれがあります。 他にも、相続放棄をするなら、以下のような行為をしてはいけません。
単純承認について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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債権者の中には、相続放棄したことを説明しても、しつこく督促してくる人がいるかもしれません。しかし、相続放棄が家庭裁判所に認められた場合には、督促を無視しても問題ありません。 しつこく督促された場合には、弁護士に相談することを検討しましょう。また、債権者が脅迫的な言動をした場合には、警察への相談を検討しましょう。 債権者が、相続放棄の無効を訴える異議申し立て訴訟を起こすケースもあります。その場合には、法的要件を満たした相続放棄であったことを証明しなければなりません。 相続放棄について弁護士に依頼すると、以下のようなメリットがあります。
債権者からの指示にうっかり従ってしまうと、相続放棄の手続きができなくなるかもしれません。そうなれば、被相続人の借金等を相続してしまい、返済に追われてしまうリスクがあります。 弁護士に依頼すれば、債権者とのやり取りは全て弁護士が行ってくれます。借金を負担するリスクだけでなく、債権者とのわずらわしいやり取りからも解放されます。 相続放棄でお悩みの方は、お一人で悩むのではなく、まずはお気軽に弁護士にご相談ください。