メニュー
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
相続が発生し、相続税の申告が必要になった場合には、いくらになるのかを把握しておきたいことでしょう。 また、自分が保有している財産について考えたときに、相続税がかかるのか、かかるとしたらいくらになるのかを、自分で計算して準備しておきたいと思われるかもしれません。 この記事では、相続税額の計算方法等をなるべく詳しく解説します。また、相続税額の早見表を掲載していますので、ぜひご覧ください。
来所・オンライン法律相談30分無料|通話無料|24時間予約受付|年中無休
0120-885-017
メール相談予約受付
※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。 ※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください。 ※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。
相続税は、亡くなった方が遺した財産を、相続や遺言等によって取得したときにかかる税金です。この税金を支払うのは、亡くなった方ではなく、相続財産を受け取った者です。 ただし、相続財産を受け取った者の全員に相続税がかかるわけではありません。相続税には、相続財産が一定の金額以下である場合には税金を取らないようにする「基礎控除」があるため、これを超える相続財産を受け取った者にだけ相続税がかけられます。
相続税の基礎控除とは、遺産の中で課税対象になる金額から一定額を差し引くことのできる制度です。控除できる金額は、以下の式によって計算します。
基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人の数
法定相続人とは、遺産を相続する者として民法に定められている者のことです。配偶者は常に法定相続人となり、他の法定相続人については優先順位が定められています。その順位は以下のとおりです。
第1順位:子
第2順位:直系尊属(両親など)
第3順位:兄弟姉妹
例えば、夫(父親)が死亡し、妻と子供2人がいる場合には、法定相続人は3人となり、基礎控除額は4800万円(3000万円+600万円×3)です。この金額は、たとえ直系尊属や兄弟姉妹が何人いたとしても変わりません。 上記の例では、遺産の合計額が4800万円以内であれば相続税は課税されません。この場合には、相続税申告手続きは不要となります。
相続税の計算方法は、下記の流れになっています。
それぞれの計算について、次項より解説します。 なお、相続税の申告の要否を判定するコーナーが国税庁のサイトにあるのでご確認ください。
相続税の申告要否判定コーナー 【国税庁】
まずは、遺産の総額のうち、課税対象となる財産のトータル額を計算します。被相続人が遺した財産であっても、墓地や墓石、神棚等は基本的に課税対象となりません。 課税対象となる財産の金額から、債務のようなマイナスの財産の金額や、基礎控除額を差し引くことによって課税対象額を算出します。
相続税の課税対象となる財産として、主に以下のような財産があります。
みなし相続財産について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
合わせて読みたい関連記事
被相続人の生前の債務や、被相続人のための葬式費用は、マイナスの財産として課税対象となる財産から差し引くことができます。 差し引ける債務等として、主に以下のようなものが挙げられます。
ただし、以下の債務や葬式費用等は差し引くことができません。
相続放棄について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
合わせて読みたい関連記事
被相続人が遺した財産であっても、課税対象とならないものがあります。課税対象とならないのは、主に以下のような財産です。
ただし、純金製の仏具のような投機対象となる財産等は、例外的に課税対象となります。
プラスの財産からマイナスの財産を差し引くことによって遺産の総額を計算したら、さらに相続税の基礎控除額についても差し引いて「課税遺産総額」を計算します。 課税遺産総額は、以下の式によって求めます。
課税遺産総額=遺産の総額-基礎控除額
例えば、遺産の総額が6000万円、基礎控除額が4200万円であった場合には、以下のようになります。
遺産の総額(6000万円)-基礎控除額(4200万円)=課税遺産総額(1800万円)
上記の例では課税遺産総額がプラスになっていますが、同じように計算したときに、もしも課税遺産総額がマイナスになった場合には、相続税がかからないことを意味します。
課税遺産総額を計算したら、そこから相続税の総額を算出します。 相続税の総額を算出するためには、以下の式によって計算できる各自の算出税額を合計します。
課税遺産総額×法定相続人の法定相続分×税率-控除額=算出税額
例えば、課税遺産総額が8000万円であり、法定相続人が配偶者と子2人(子A・子B)であった場合を考えます。 法定相続分による各々の課税遺産総額の取り分は以下のとおりです。
・配偶者:8000万円×1/2=4000万円
・子A :8000万円×1/4=2000万円
・子B :8000万円×1/4=2000万円
次に、上記の課税遺産総額の取り分を基準として、速算表の税率を乗じ、控除額を差し引きます。
・配偶者:4000万円×20%-200万円=600万円
・子A :2000万円×15%-50万円=250万円
・子B :2000万円×15%-50万円=250万円
こうして求めた各々の算出税額を合算して、相続税の総額を導きます。
600万円+250万円+250万円=1100万円
以上のことから、このケースにおける相続税の総額は1100万円です。
なお、相続税の速算表は以下のようになっています。
| 法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1000万円以下 | 10% | – |
| 3000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 5000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 2億円以下 | 40% | 1700万円 |
| 3億円以下 | 45% | 2700万円 |
| 6億円以下 | 50% | 4200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7200万円 |
相続税の総額をもとに、相続人の各々が支払う相続税額を算出します。 このときには、実際の遺産の取得割合に基づいて、相続税も同じ割合で分配します。
各人の相続税額=相続税の総額×各相続人の相続割合
例えば、相続税の総額が1100万円であり、実際の相続割合が配偶者60%、子2人が各20%であったとします。 このとき、各々が支払う相続税の金額を計算すると以下のようになります。
ただし、配偶者には税額が軽減されます。その結果、配偶者が相続した遺産額が1億6000万円以下であれば相続税は免除されるため、上記のケースにおける配偶者の相続税は0円となります。 よって、実際に各々が納める相続税は以下のとおりです。
なお、子Aや子Bが未成年者または障害者であった場合等では、相続税が減額される可能性があります。
相続税には「税額控除」があり、相続税が減額されます。基礎控除は誰にでも適用されますが、税額控除は特定の条件に該当する相続人のみに適用されます。 税額控除を表にまとめたのでご覧ください。
| 配偶者の税額軽減 | 配偶者の相続税額を、「配偶者の法定相続分の財産額」または「1億6000万円」のいずれか大きい金額分の相続財産について控除する |
|---|---|
| 未成年者控除 | 未成年者の相続税額を「10万円×未成年者が満18歳になるまでの年数」だけ控除する |
| 贈与税額控除 | 相続開始前3年以内に行った生前贈与で支払った贈与税の金額を控除する |
| 障害者控除 | 障害者の相続税額を、障害の重さに応じて「10万円×その障害者が満85歳になるまでの年数」または「20万円×その障害者が満85歳になるまでの年数」だけ控除する |
| 相次相続控除 | 10年以内に連続して相続が発生した場合に、「今回の被相続人が前の相続の際に課せられた相続税額」等から算出された金額を控除する |
| 外国税額控除 | 外国にある相続財産を相続した場合に、「実際に外国で支払った相続税額」または「日本の相続税額から、外国にある相続財産に相当する部分に相当する割合を差し引いた税額」を控除する |
相続税の税額控除を受けられる条件を詳しく知りたい方は、以下の記事を併せてご覧ください。
合わせて読みたい関連記事
他にも、税額控除ではないものの、似たものとして「小規模宅地等の特例」があり、一定の要件を満たした土地の評価額を減額できます。
相続人のパターンとして多い、被相続人の子が相続するケースについて、配偶者がいる場合といない場合の相続税額を早見表にして次項より掲載します。
配偶者がいる場合の相続税額の総額は表のとおりです。ただし、配偶者は法定相続分を受け取り、相続税の配偶者控除によって無税となることを前提としています。
| 相続財産の総額 | 配偶者+子1人 | 配偶者+子2人 | 配偶者+子3人 |
|---|---|---|---|
| 4000万円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 5000万円 | 40万円 | 10万円 | 0円 |
| 6000万円 | 90万円 | 60万円 | 30万円 |
| 1億円 | 385万円 | 315万円 | 262万5000円 |
| 3億円 | 3460万円 | 2860万円 | 2540万円 |
| 5億円 | 7605万円 | 6555万円 | 5962万5000円 |
| 10億円 | 1億9750万円 | 1億7810万円 | 1億6635万円 |
配偶者がいない場合の相続税額の総額は表のとおりです。
| 相続財産の総額 | 子供1人 | 子供2人 | 子供3人 |
|---|---|---|---|
| 4000万円 | 40万円 | 0円 | 0円 |
| 5000万円 | 160万円 | 80万円 | 20万円 |
| 6000万円 | 310万円 | 180万円 | 120万円 |
| 1億円 | 1220万円 | 770万円 | 630万円 |
| 3億円 | 9180万円 | 6920万円 | 5460万円 |
| 5億円 | 1億9000万円 | 1億5210万円 | 1億2980万円 |
| 10億円 | 4億5820万円 | 3億9500万円 | 3億5000万円 |
相続税額の計算式は複雑で、算出するのは難しく思うかもしれません。まず、前提としての相続財産の評価額は簡単には分かりませんし、様々な税額控除等も設けられています。 相続に関する悩みを弁護士に相談することには、主に以下のようなメリットがあります。
相続人が以下の者である場合には、相続税額が2割加算されます。
相続税は、相続の発生を知った日の翌日から10ヶ月以内に税務署へ申告する必要があります。期限を過ぎても申告せず納税を怠ると、加算税の支払いを命じられるおそれがあります。また、一部の特例による相続税の軽減措置を受けられなくなってしまいます。
相続税の計算は複雑であり、多くの手順を踏まなければなりません。ただでさえ、相続にまつわる様々な手続きがあって大変なのに、難しい計算をして税金を納めなければならないのは負担が大きいでしょう。相続税の節税対策をするためにも、早めに税額を試算しておくことが大事です。 そこで、相続を集中的に取り扱う弁護士にご相談いただければ、相続税に関する疑問や不安を解消していただけます。思わぬ見落としによって申告漏れが発生すれば追徴課税を受けるおそれがあるため、専門家の存在は心理的な負担の解消に役立ちます。 また、弁護士であれば、相続全般についてアドバイスをすることができます。相続について不安のある方は、ぜひ私たちにご相談ください。